化学辞典 第2版 「コール酸」の解説
コール酸
コールサン
cholic acid
3α,7α,12α-trihydroxy-5β-cholanic acid.C24H40O5(408.57).ほとんどの脊椎動物の胆汁中に,グリシンまたはタウリンとペプチド結合して存在する.とくに雄牛の胆汁から多量に抽出でき,ほかのステロイドの合成原料となる.グリシンと結合したコール酸は,より高等な脊椎ほ乳動物に見いだされ,これをグリココール酸といい,またタウリンと結合したもの(ニワトリ)はタウロコール酸とよばれ,いずれもナトリウム塩として存在する.これらは脂肪などの水に不溶性の物質を腸管内で乳化させ消化吸収を助け,また酵素作用を容易にする.希酢酸から再結晶すると1分子の結晶水をもつ板状晶を与え,またアルコールからは1分子のアルコールをもつ結晶を与える.130 ℃ に加熱すると結晶溶媒は除かれ,無水物を与える.無水物は融点198 ℃.+37°(エタノール).溶解度0.28 g L-1(15 ℃ 水),30.56 g L-1(エタノール).アルコール溶液とKI-I2 水溶液をまぜると青色の分子化合物(C24H40O5I)4・Kl・H2Oを生成する.[CAS 81-25-4][別用語参照]コラン酸
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報