タウリン(読み)たうりん(英語表記)taurine

翻訳|taurine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タウリン」の意味・わかりやすい解説

タウリン
たうりん
taurine

アミドスルホン酸の一つで、アミノエタンスルホン酸をいう。単斜柱状晶で、熱水に溶け、アルコールに不溶。天然には広く動植物中に存在する。ことにウシ胆汁中に多く存在し、胆汁の加水分解により得られる。合成化学的には2-クロロエタンスルホン酸あるいは2-ヒドロキシエタンスルホン酸とアンモニアとの反応により製造される。アンモニアのかわりに種々のアミン類を用いれば、N-置換タウリンを得ることができる。N-置換タウリンと高級脂肪酸とのアミドは界面活性を有し、合成浸透剤として用いられる。この種の代表に、N-メチルタウリンとオレイン酸とのアミドであるN-メチルオレイルタウリンナトリウム塩はイゲポンT(ドイツのイー・ゲー・ファルベン社の商品名)とよばれる。またN-置換タウリンは染料合成用中間体としても用いられる。

[飛田満彦]



タウリン(データノート)
たうりんでーたのーと

タウリン
H2NCH2CH2SO3H
分子式C2H7NO3S
分子量125.1
融点328℃(分解
沸点

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タウリン」の意味・わかりやすい解説

タウリン
taurine

化学式 NH2CH2CH2SO3H 。分解点約 300℃,柱状晶。水に溶けやすく,エチルアルコールに不溶。イカカキなどの軟体動物組織遊離で存在するほか,種々の動物から見出されている。胆汁酸と結合したタウロコール酸肉食獣の胆汁の主成分

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