ザーネン(読み)ざーねん(その他表記)Saanen

デジタル大辞泉 「ザーネン」の意味・読み・例文・類語

ザーネン(〈ドイツ〉Saanen)

家畜ヤギの一品種。スイスのザーネン渓谷の原産乳用種で、毛色は白。日本で最も多く飼養される。

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精選版 日本国語大辞典 「ザーネン」の意味・読み・例文・類語

ザーネン

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Saanen ) スイスのベルン地方のザーネ渓谷原産の乳用山羊。体高八〇センチメートル内外。毛色は白色で、ふつう雌雄とも角がない。乳は脂肪分に富む。性質温順で寒さに強く、各品種のなかでもっとも乳量が多い。日本には明治時代輸入され、現在、日本で飼養するヤギのほとんどがザーネン種または改良された日本ザーネン種である。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ザーネン」の意味・わかりやすい解説

ザーネン
ざーねん
Saanen

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。家畜ヤギのもっとも代表的な乳用品種で、スイス西部のベルン州ザーネン谷の原産である。被毛は白色、無角のものが多く、肉垂れ(肉ひげ)はもつものと、もたないものとがある。体は後半が充実したくさび形をしている。体重は雄80キログラム、雌55キログラムほどで、乳房はよく発達し、年間総乳量500~1000キログラム、泌乳期間は270~350日である。世界各国で広く飼育され、その国のヤギの改良にも貢献した。日本ザーネンは九州地方の在来ヤギにザーネンを累進交配して作出したやや小形のヤギである。ブリティッシュザーネンはイギリスの在来種オランダのザーネンを累進交配して作出したもので、体格はより大きく、能力も優れている。

[西田恂子]

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百科事典マイペディア 「ザーネン」の意味・わかりやすい解説

ザーネン[種]【ザーネン】

ヤギの一品種。スイス原産の乳用種。毛は短く白色。体高は雄80〜100cm,雌75〜85cm。乳量は年間800〜1000kg。日本で飼われるヤギは,日本の在来種(九州,沖縄にいる肉用種)をザーネンの雄で改良した日本ザーネンが大部分。これは年間乳量が400〜500kgで,毛色は白。
→関連項目ヤギ(山羊)

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世界大百科事典(旧版)内のザーネンの言及

【ヤギ(山羊)】より

…このような特性から傾斜地の多い地方,未開発の僻地(へきち)などに多く飼われており,多目的に利用されているので品種の数も多い。
[品種]
 乳用種としてはヨーロッパ系の改良種が多く,スイス原産のザーネン種Saanen(イラスト)(白色,無角),トッゲンブルグ種Toggenburg(チョコレート色に白徴,有角),イギリス原産のアングロ・ヌビアン種Anglo‐Nubian(無角,垂耳,毛色は多様)が有名である。〈貧農の乳牛〉とも呼ばれ,小規模経営の農家の自家用乳生産に主として用いられているが,ヤギ乳を原料とするチーズもフランス,スイス,イタリアには多い。…

※「ザーネン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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