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シュレーディンガーのネコ しゅれーでぃんがーのねこ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シュレーディンガーのネコ
しゅれーでぃんがーのねこ

量子力学においてミクロの量子状態の変化とマクロの世界の観測をつなぐ問題。オーストリアの理論物理学者シュレーディンガーによって提起された思考実験である。
 原子核が崩壊してα(アルファ)線を出す現象は量子力学で扱うべきミクロな現象である。つまり原子核がいつ崩壊してα線を出すかは、量子力学では崩壊している状態と崩壊していない状態の重ね合わせと表現し、どちらに変化するか(状態が確定するか)は確率的にしか計算できない。そのような原子核を箱に入れ、原子核の崩壊により放出されたα線を感知して毒ガスを出す装置といっしょに、ネコを入れる場合を考える。箱を開けない(観測していない)場合、量子力学的には原子核が崩壊してα線を出し毒ガスが放出される状態(毒ガスによりネコは死んでいる)と、原子核が崩壊しておらずα線を出していないため毒ガスが放出されていない状態(毒ガスは出ていないのでネコは生きている)が重ね合わさっていると考えられる。しかしネコが半分死に、半分生きているような状態は考えにくい。どこの段階でネコの生死というマクロ世界での状態が決まるのかということが問題になった。この問題に関する代表的な二つの解釈を示す。コペンハーゲン派の確率解釈では、箱を開けて人間が観測した段階で重ね合わせの状態の波動関数が収縮し、ネコの生死が確定するとしている。一方、多世界解釈(エベレット解釈)では、箱を開けて人間が観測した段階で重ね合わせの状態が分岐を起こし、ネコが生きている世界とネコが死んでいる世界に分かれるとしている。[山本将史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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