科目の設計(目標,方略,評価)を記載し,学生に明示するもの。カリキュラムを実現するためには,個々の科目も教育目的に応じて設計され,シラバスに記載される必要がある。教員が何を教えるかではなく,学生が何を学ぶかが重要なので,シラバス記述の主語は学生でなければならない。学生はシラバスを見て,その科目の意義と目標を確認し,目標達成に向けて方略に従い学習を重ねる。詳細なシラバスがあれば,たとえ担当者が不在でも他の教員がそのクラスを指導することができる。シラバスは講義の開始前に用意されているべきであるし,原則として講義はシラバスどおりに実施されるべきである。この意味で,シラバスは大学(教員ではない)と学生との間で契約書のように機能する。目標は,理念を表す一般目標と具体的な到達目標に分割する場合もある。到達目標は行動的でなければならない。この行動ができたかどうかを確認することが学習評価である。したがって,シラバスに記載されたすべての到達目標は評価されなければならない。また,フィードバックの機能を有し,毎年シラバスが洗練されていく仕組みも必要である。
著者: 細川敏幸
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報
(増谷文生 朝日新聞記者 / 2008年)
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