砕屑(さいせつ)性堆積岩(たいせきがん)の一種で、シルト(粒径0.004~0.06ミリメートル)の砕屑粒子を主成分とする岩石。普通、泥岩あるいは頁岩(けつがん)とよばれているものにはシルト岩が多く、シルトに加えてより細かな粘土鉱物が混合して岩石をつくっている。シルトは淤泥(おでい)あるいは微砂(びさ)ともよばれ、おもに石英や長石の鉱物粒からなり、細かいために円磨されているものは少ない。シルトはわずかな動きの水流でも運ばれてしまうので、シルト岩には平行葉理が発達していることが多い。シルト岩はあらゆる地質時代の地層にみられるが、とくに海底地すべりによる乱泥流でつくられたタービダイトturbiditeとよばれる堆積物の上部に、下部を形成する砂岩とともに普通に産する。また、大陸地域でレスloessとよばれる陸成の堆積物は、構成物質の粒度組成からみるとシルト岩である。その代表例が中国の黄土である。
[斎藤靖二]
…泥とは粒径が1/16mmより細かい砕屑物をいい,それらが大部分を占める岩石が泥岩である。泥岩はさらに粒径1/256mm以上の大きさのシルト,それ以下の大きさの粘土の成分の多少によりシルト岩,粘土岩に区分される。ただし肉眼的に両者を識別することは困難である。…
※「シルト岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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