日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンシナティ・レッズ」の意味・わかりやすい解説
シンシナティ・レッズ
しんしなてぃれっず
Cincinnati Reds
アメリカのプロ野球球団。ナショナル・リーグ所属(中地区)。フランチャイズをオハイオ州シンシナティに置き、グレート・アメリカン・ボール・パークを本拠地としている。球団名の変遷は、シンシナティ・レッドストッキングス(1876年)―シンシナティ・レッズ(1878~80年)―シンシナティ・レッズ(1890年再加盟)―シンシナティ・レッドレッグズ(1953年)―シンシナティ・レッズ(1959年)。
1869年にプロ球団第一号として誕生したレッドストッキングスが前身。ナショナル・リーグが発足した1876年から加盟し、1878年からは現名称となった。1880年限りでいったん、リーグを脱退し、1881年にはどこにも属さず、1882年からアメリカン・アソシエーションが創設されると1年目から同リーグに加盟した。1889年を最後にアメリカン・アソシエーションを脱退。1890年からナショナル・リーグに再加盟した。球団初優勝は1919年。ワールド・シリーズで強豪シカゴ・ホワイトソックスを降して「世界一」になった。しかし、後に八百長(やおちょう)が発覚して「ブラックソックス事件」と騒がれ、ホワイトソックスの主力8選手が永久追放される事態となった。1939年から2年連続リーグ優勝し、1940年にふたたびワールド・シリーズを制した。1953年からレッドレッグズを名のったが、1959年から現名称へと戻した。1961年にも主砲フランク・ロビンソンなどの活躍でリーグ優勝。両リーグ2地区制となった1969年からは西地区の所属となった。1970年にリバーフロント・スタジアムが開場すると同時に、黄金時代が到来した。1970年と1972年にリーグ優勝、1973年は地区優勝、1975年から2年連続ワールド・シリーズで優勝、1979年もトム・シーバーが投手陣の柱となり、地区優勝した。とくに、連続でワールド・シリーズを制したころは「ビッグレッド・マシーン」とよばれる強力打線を形成し、4256安打の通算最多記録保持者ピート・ローズ、強打の捕手ジョニー・ベンチ、両年とも最優秀選手(MVP)を受賞した万能二塁手ジョー・モーガンJoe Morgan(1943―2020)、長距離砲ジョージ・フォスターGeorge Foster(1948― )などがそろっていた。1990年に11年ぶりに地区優勝すると、ピッツバーグ・パイレーツを破ってリーグ優勝し、ワールド・シリーズでもオークランド・アスレチックスを降した。両リーグ3地区制が導入された1994年からは中地区所属となった。この年は首位ながらストライキでシーズン打ち切りとなったため、優勝扱いにはならなかった。1995年に地区優勝。ディビジョン・シリーズではロサンゼルス・ドジャースを降したが、アトランタ・ブレーブスに勝てずリーグ優勝はできなかった。1996年以降は、1999年と2000年の2位を最高に低迷。2000年には強打の名外野手ケン・グリフィーが移籍加入したが、チームの低迷は続き、2005年は5位でシーズンを終えた。なお、2003年に現本拠地が開場した。
[山下 健]
2006年以降
2006年は勝率5割に1勝届かず3位、翌2007年は72勝90敗と大きく負け越し、最下位に終わった。
1876年から2007年までの通算成績は、9248勝9197敗、地区優勝8回、リーグ優勝9回(うち1リーグ時代は0回)、ワールド・シリーズ優勝5回。
[編集部]