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ジェンベ djembe

デジタル大辞泉の解説

ジェンベ(djembe)

西アフリカ一帯で伝統的に使用されている打楽器。杯型の丸太をくり抜き、広いほうの口に山羊または牛の皮を張り、狭いほうの口は開けておく。座って股の間にはさみ、皮の面を手でたたく。ジャンベジンベ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ジェンベ
じぇんべ
Djembe

マリなどのマンディンゴ(マリンケに属す集団)の民族文化・芸能でもともとは使用されていた打楽器。片面皮張りの円錐型ドラム。座って股のあいだにはさみ、皮の面を手で叩く。タマ(トーキング・ドラム。小さめの片面皮張り太鼓で脇に挟んで先の曲ったばちで叩く)、ドゥンドゥン(大きめの両面太鼓で重いばちで叩く)とともに3個の太鼓のセットで演奏される。「ジャンベ」という発音で広まっているが、「ジェンベ」の方が原音に近い。南米先住民文化にも同系統・同形態の打楽器がさまざまにあるため起源は不明だが、おそらく同時多発的に発生したものと思われる。
 1990年代以後の日本でジェンベが広く親しまれ、路上演奏を行う人々も含めて演奏者も増加している。増加の理由はアフリカン・ドラムの学校や販売店の増加、テクノ系音楽での使用、比較的小さく形態もシンプルで運びやすいことなどが考えられる。
 また同じ円錐型ドラムである東アフリカ、エチオピアのコポロ、枠に取りつけて立って叩くこともあるウガンダのテンガーなども同系統である。タマ、ジェンベ、ドゥンドゥンの形態・奏法が合体したような樽型ドラムのラテン・パーカッション、コンガなど、アフリカからカリブ・ラテンアメリカ世界に同型の楽器が広く分布している。これは、カリブ・ラテンアメリカ世界へと送られた多くのアフリカ人奴隷が西アフリカ系の人々だったことが理由である。コンガ系の樽太鼓も、もともとは3、4本の大小の太鼓により高低音を使い分けたり、それぞれが宗教的な意味を担っていたが、それが簡便化したものである。また、ストラップをつけて肩から提げて叩く、ウルグアイやブラジル、キューバのバタなどといった打楽器・奏法もある。樽型ドラムとしても、転がした上に座って手で叩く、ばちを使って胴を叩く(プエルト・リコ、マルティニーク島など)といった伝統的・応用的に同型なさまざまな演奏の仕方がある。
 太鼓のバリエーションは世界中に数多くある。ポピュラー・ミュージックでさまざまな太鼓の音楽がドラム・セット(トラップ・ドラム)というかたちに収斂した後、世界的な新たなポピュラー・ミュージックにおける太鼓文化への入口をジェンベが果たしている。[東 琢磨]
『ヤン・ハインツ・ヤーン著、黄寅秀訳『アフリカの魂を求めて』(1976・せりか書房) ▽ダイヤグラム・グループ編、皆川達夫監訳『楽器――歴史、形、奏法、構造』(1992・マール社) ▽Simon Broughton, Mark Ellington, Richard Trillo World Music Vol.1; Africa, Europe and the Middle East(1999, The Rough Guides, London)』

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