マリンケ(読み)まりんけ(その他表記)Malinke

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリンケ」の意味・わかりやすい解説

マリンケ
まりんけ
Malinke

西アフリカのギニアからマリ南西部、セネガルにかけての内陸部に居住するネグロイド系民族。下位集団にマンディンゴ、ワンガラなどがある。人口約150万。コンゴコルドファンニジェール・コンゴ)語族マンデ諸語に属する言語マリンケ語を話す。モロコシシコクビエなどの雑穀を主作物とする農耕民であるが、活発な交易活動でも知られる。彼らは防壁や柵(さく)で囲まれた集落に住み、1人の長がそれを治める。この集落がいくつか集まって首長領を形成する。その住人は、貴族、平民、奴隷の三つの階層に分かれる。マリンケは、13世紀から14世紀に興隆を極め、ニジェール川中流から上流にかけてのサバナ地帯に大帝国を築いた、マリ王国の創設者であった。

[渡部重行]

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百科事典マイペディア 「マリンケ」の意味・わかりやすい解説

マリンケ

ガンビア川河口からコートジボワール内陸部にかけて分布する民族。マリ帝国末裔であり,マリンケとは〈マリの人々〉という意味。ギニアでは最大の民族。農業や交易に従事し,父系氏族制社会。イスラム教徒が多いが,伝統的文化影響も強く残っている。言語はマンデ語系。
→関連項目グリオコーラサモリ・トゥーレ

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