トリコット(読み)とりこっと(英語表記)tricot

翻訳|tricot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリコット」の意味・わかりやすい解説

トリコット
tricot

メリヤス製品のうちの経編みメリヤスのこと。語源編物の意のフランス語トリコ tricot。緯編みメリヤスが,成型編みができて伸縮性があるものの,着くずれがしたり,糸の一端を引くとどこまでもほどけるという欠点があるのに対し,トリコットに使う経編みメリヤスにはこの欠点がなく,比較的緻密な組織をつくることができ,デザインも変化に富むので高級品とされている。トリコットのうち一重トリコットは綿糸毛糸を用いて裏を軽く起毛している。マフラーなどに最適。ダブルトリコットは2組の経糸を使って厚みをもち,高級肌着やマフラー,手袋などに使われる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリコット」の意味・わかりやすい解説

トリコット
とりこっと
tricot

経(たて)メリヤス機の一種であるトリコット機で編んだ経編みの生地(きじ)、あるいはその編機をさす。また、トリコットは編むという意味のフランス語tricoterから出ているので、編物一般をさすことがある。緯(よこ)メリヤスのようにほどけやすい欠点がなく、繊細緻密(ちみつ)な地合いから、レースのような透かし目のものまで、変化のある編み目ができるのが特徴である。外衣用のほか、肌着、靴下など伸縮性を要求される衣料に広く利用される。

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例