スポーツをするとき身につける衣服。それぞれのスポーツに適し,身体運動を十分に発揮できるもの,発汗を妨げず,快適でじょうぶなものが要求される。近年はそのような機能面だけでなく,ファッション性も重視されている。1960年代にはオリンピックのテレビ衛星中継(インスブルック冬季大会,1964)などを契機としてスポーツへの関心が高まったが,70年代に入るとみずから行うスポーツが盛んになった。72年ころからアメリカを中心とする先進国で,肥満,成人病の予防のための健康法が盛んになり,これはさらにスポーツブームを引きおこし,テニスやランニング(ジョギング),ゴルフ,スキーをする者が中高年層を含めて急増した。そして,スポーツウェアが街頭のファッションにもなっていく。日本では75年ころからトレーニングウェアが家庭着として許容されるようになった。また,ジーンズにスニーカー(ズック靴)という若者ファッションが定着したのも70年代であり,着やすく,くつろげる服装としてスポーツウェアが進出する素地となった。こうした需要の増大,競技用としての機能の科学的追求,新しい素材の開発などが要因となってスポーツウェアはますます多様化しつつある。
執筆者:佐野 雅之
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