翻訳|sweater
上半身に着る編物の衣服で、手編みも機械編みもある。袖(そで)の有無や長短、身頃(みごろ)の長短はさまざまであり、形式は頭からかぶって着るプルオーバー型、前あきのカーディガン型を含むコート型、後ろあき型、巻き付け型などがある。素材は毛糸が一般的であったが、木綿、麻、絹などのほか、発達の目覚ましい合繊糸、ラメ糸、ビーズの編み込みなど多様で、今後ますます豊富になると予想される。日本では普通プルオーバー型のものをセーターとよぶ。語源は、汗をかくsweatにある。19世紀後半アメリカのアイビー・リーグ(北東部の名門大学グループ)のフットボールチームが、汗を吸収しやすい編物のユニフォームを着たことから一般化したといわれるが、厚手のスポーツシャツでプルオーバー型のものが、汗を出す目的で着られ、スウェットシャツとよばれたためともいわれる。のちに防寒着として利用され、いまはサマーセーターとしても普及している。手編みの歴史は中世以来長いが、機械編みは1589年イギリス人リーWilliam Lee(?―1610)が靴下編機を発明したのが最初である。最近は機械編みが発達し、編み方も素材も複雑で上質になったが、大量生産のため逆に手編みが高級視される傾向にある。
種類は、形態からカーディガン、ドルマン、タートルネックなど、用途からスキー、クルー、スクール、テニスなど、原産地や柄(がら)や素材に由来した地名などからアランアイル(Vネックでプルオーバー型)、アーガイル(ダイヤモンド柄で、スコットランドのアーガイル地方)、フィッシャーマン(生成(きなり)の色でバルキーな手編み)などがある。
[浦上信子]
編物の上衣の総称。英語のsweat(汗をかく)に由来する名称である。もともと19世紀の末,ボートやその他のスポーツ選手たちに,減量のため着用させたウールやジャージーの上衣をいった。のちに冬に着る防寒着として利用されはじめた。以後セーターのもつ独特の伸縮性,着やすさ,気軽さは日常着として欠かせないものとなり,冬のみでなく夏糸を用いてサマー・セーターとしても普及してきた。セーターにはプルオーバーpulloverとカーディガンの2通りの形がある。プルオーバーはかぶって着用し,前にも後ろにもあきのないもので,カーディガンは前明きで打合せがあり,ボタンがけにする。また両者を同じ素材でつくり着用するものをツィン・セーターtwin sweaterと呼んでいる。いずれも手芸的につくられた手編のものと,機械編のものがある。衿明きはV型,ラウンド型,タートル・ネックなどが多い。現在では日常着から脱し,カジュアルなものばかりでなく,セミ・フォーマルや,アフタヌーンドレスなどもつくられる。
執筆者:城川 美枝子
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