法則の辞典 「ジーンズ波長」の解説 ジーンズ波長【Jeans wavelength】 一様で等方的な流体が,静止して力学的に平衡であるとする.これに摂動として振動数 ω,波数ベクトル κ の小さな振幅の振動を加えると, ω2=c2κ2-4πGρ0 という分散関係式が得られるが,ここで G は万有引力定数,c は流体の音速,ρ0 は非摂動状態における流体の密度である.波長 λ(=2π/κ) が下の λj より大きいと,ω2 は負となるので,この振動は時間とともに成長する. この限界波長のことをジーンズ波長と呼ぶ. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジーンズ波長」の意味・わかりやすい解説 ジーンズ波長ジーンズはちょうJeans wave length 一様に広がった媒質中に密度のむら (ゆらぎ) が生じたとき,そのゆらぎの波長がある限界より長いと,その部分は圧力にうちかって自分自身の重力で収縮し,ますます密度が高くなる。一方,その限界より短い波長のゆらぎは成長できずに消えてしまう。この限界の波長をジーンズ波長という。宇宙空間に広がった物質から銀河や星が生れるか否かを調べるのによく使われる。 J.ジーンズはイギリスの天文学者で,20世紀初めにこの種の先駆的な研究をした。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報