万有引力定数(読み)バンユウインリョクテイスウ(その他表記)universal gravitation constant

デジタル大辞泉 「万有引力定数」の意味・読み・例文・類語

ばんゆういんりょく‐ていすう〔バンイウインリヨク‐〕【万有引力定数】

万有引力法則に現れる普遍定数重力定数記号Gを用い、値はG=6.67259×10-11N・m2・kg-2

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精選版 日本国語大辞典 「万有引力定数」の意味・読み・例文・類語

ばんゆういんりょく‐ていすうバンイウ‥【万有引力定数】

  1. 〘 名詞 〙 万有引力の法則に現われる普遍定数。記号Gで表わす。値は G=6.67259×10-11N・m2・kg-2〔自然科学的世界像(1938)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「万有引力定数」の意味・わかりやすい解説

万有引力定数
ばんゆういんりょくていすう
universal gravitation constant

万有引力の法則に現れる比例定数重力定数ともよばれる。ニュートンの万有引力の法則によれば、質量Mと質量mの物体間の距離rに働く力F

と表され、この式のなかのGが万有引力定数である。Gは2018年の科学技術データ委員会(CODATA:Committee on Data for Science and Technology)勧告によると
 G=(6.67430±0.00015)×10-11m3kg-1s-2
である。万有引力定数は物理的普遍定数の一つと考えられ、時間的空間的に(宇宙の開闢(かいびゃく)以来、宇宙のどこでも)一定の値をもつものと考えられている。キャベンディッシュによる1798年の測定以来、万有引力定数はさまざまな方法で測定されているが、万有引力(重力)が他の力(電磁気力など)に比べて弱いため、測定精度は他の普遍定数に比べると低い。また、重力が(原子レベルなどの)小さい領域で正確に成り立っているかは現在も検証中で、超弦理論などで重力と量子力学の統合が進められている。

 また一般相対性理論でのアインシュタイン方程式

においてもGが万有引力定数である。ここで左辺Gμν時空曲率を表すアインシュタイン・テンソル右辺Tμν物質分布を表すエネルギー・運動量テンソル、πは円周率c光速度である。

[山本将史 2022年4月19日]

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百科事典マイペディア 「万有引力定数」の意味・わかりやすい解説

万有引力定数【ばんゆういんりょくていすう】

万有引力の法則によれば,質量m,m′の2物体が距離rを隔てて作用する万有引力は,Gmm′/r2で表される。ここでGは物質の種類に無関係な普遍定数で,万有引力定数と呼ばれる。その値はほぼ6.6726×10(-/)11N・m2・kg(-/)2。測定にはトーションバランス(キャベンディシュ,ボイスら),山の引力による鉛直線の曲り(メンデンホールら)などを利用する。
→関連項目キャベンディシュ普遍定数

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「万有引力定数」の意味・わかりやすい解説

万有引力定数
ばんゆういんりょくていすう
universal gravitation constant

重力定数,引力恒数などともいう。ニュートンの万有引力の法則に現れる普遍定数で,記号は G またはγ。その値は 6.6726×10-11N・m2/kg2 である。天文学では √Gガウス定数といい,太陽系に関する天文計算に用いられる。 G の値は 1798年 H.キャベンディッシュの装置で初めて測定された。ねじり秤につるされた質量 m の2つの球がある位置で釣合っていて,吊糸のねじれは反射光の尺度上の位置Aでわかる。次に重い鉛球をそれぞれの球の上下から近づけると各小球は万有引力によって引かれて別の位置で釣合い,吊糸がねじれて反射光は位置Bをさす。実際の実験では微小なねじり振動をさせ,振れの中心として平衡位置A,Bを定める。このように鏡による反射で微小なねじれ角を拡大して測定し,鉛球と小球との間に万有引力が存在することを証明し,引力定数 G の値を求めた。

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世界大百科事典(旧版)内の万有引力定数の言及

【万有引力】より

…質量m(kg)とm′(kg)の物体(正確には質点)がr(m)隔てて及ぼし合う万有引力の大きさは,で与えられる。これを万有引力の法則といい,G=6.6720×10-11N・m2・kg-2は万有引力定数と呼ばれる定数である。Gがこのように小さいため,地上の物体相互間の万有引力は感知できないほど弱く,地球と地上の物体との間の万有引力をわれわれは重力(の主要部分)として感じている。…

※「万有引力定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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