万有引力の法則に現れる比例定数。重力定数ともよばれる。ニュートンの万有引力の法則によれば、質量Mと質量mの物体間の距離rに働く力Fは
と表され、この式のなかのGが万有引力定数である。Gは2018年の科学技術データ委員会(CODATA:Committee on Data for Science and Technology)勧告によると
G=(6.67430±0.00015)×10-11m3kg-1s-2
である。万有引力定数は物理的普遍定数の一つと考えられ、時間的空間的に(宇宙の開闢(かいびゃく)以来、宇宙のどこでも)一定の値をもつものと考えられている。キャベンディッシュによる1798年の測定以来、万有引力定数はさまざまな方法で測定されているが、万有引力(重力)が他の力(電磁気力など)に比べて弱いため、測定精度は他の普遍定数に比べると低い。また、重力が(原子レベルなどの)小さい領域で正確に成り立っているかは現在も検証中で、超弦理論などで重力と量子力学の統合が進められている。
また一般相対性理論でのアインシュタイン方程式
においてもGが万有引力定数である。ここで左辺のGμνは時空の曲率を表すアインシュタイン・テンソル、右辺のTμνは物質分布を表すエネルギー・運動量テンソル、πは円周率、cは光速度である。
[山本将史 2022年4月19日]
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…質量m(kg)とm′(kg)の物体(正確には質点)がr(m)隔てて及ぼし合う万有引力の大きさは,で与えられる。これを万有引力の法則といい,G=6.6720×10-11N・m2・kg-2は万有引力定数と呼ばれる定数である。Gがこのように小さいため,地上の物体相互間の万有引力は感知できないほど弱く,地球と地上の物体との間の万有引力をわれわれは重力(の主要部分)として感じている。…
※「万有引力定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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