スタルチェボ文化(読み)スタルチェボぶんか(英語表記)Starcevo culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スタルチェボ文化」の意味・わかりやすい解説

スタルチェボ文化
スタルチェボぶんか
Starcevo culture

旧ユーゴスラビア地域で展開した新石器時代初頭の文化ハンガリーのケレス文化,ルーマニアのクリシュ文化とほぼ同一の文化である。農耕牧畜生業なかに入ってきてはいるが,狩猟採集,漁労がなお生業の重要な部分を占めた。土器もみられるが,粗製のものが多い。西アジアから新石器文化が波及してきたことを示すように,ギリシアの先セスクロ文化とも密接な関係をもち (→セスクロ遺跡 ) ,ヨーロッパの新石器時代初頭の文化として重要な意義をもっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタルチェボ文化」の意味・わかりやすい解説

スタルチェボ文化
すたるちぇぼぶんか
Starčevo

ヨーロッパ最古の新石器文化の一つ。紀元前六千年紀ごろユーゴスラビアを中心とするバルカン地方に広まった。小麦のほかアワ、豆を栽培し、ウシヒツジヤギブタなどを飼育していたが、狩猟や採集も依然として重要な役割を担っていた。石鎌(いしがま)を用いて収穫し、石臼(うす)、石杵(きね)、かまどを用いて調理した。家屋は多くの場合泥壁造りの方形住居であった。

[鈴木忠司]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android