ステゴロフォドン(その他表記)Stegolophodon

関連語 三枝

最新 地学事典 「ステゴロフォドン」の解説

ステゴロフォドン

学◆Stegolophodon

アジアの下部中新~鮮新統産の長鼻類。G.Schlesinger(1917)命名。模式種はミャンマー産のラチデンスゾウ(S.latidens)。アフリカからの報告もあるが,それらは原始的なゾウ科であると考えられる(V.J.Maglio, 1973)。臼歯全体の形態は丘状歯に属するが,間咬頭の発達が悪いため,稜はステゴドン類にみられる屋根形の稜と典型的な丘状歯の中間的な形態を示す。歯冠セメント質はわずかに発達するか,または発達しない。第4乳臼歯~第2大臼歯には4,第3大臼歯には5~6の稜がある。上顎の牙(切歯)にはエナメル質の帯があり,下顎には短い切歯が残っている。日本の中新統産のS.psudolatidens・S.tsu-daiの臼歯は,間咬頭の発達がきわめて悪く,かつ咬頭の細分化が進んでおり,より櫛状歯に近い形態を示し,ステゴロフォドンでは最も派生した形質がみられる。このことからこれらをエオステゴドン(Eostegodon)属とする見解がある(樽野博幸,1985)。ステゴロフォドンはステゴドン属とともにステゴドン科に分類される。ステゴロフォドンの臼歯は軛やく状丘状歯型(zygobunodont)であることから,軛状の稜をもつマムート科(Mammu-tidae)からステゴロフォドンとステゴドンが進化したとする説があった(H.Tobien, 1973)。しかし,臼歯以外の形質も用いた分岐分類学によって,ステゴドン科はゾウ科の姉妹群であり,ゴンフォテリウム類から進化したとされている(P.Tassy, 1982)。

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改訂新版 世界大百科事典 「ステゴロフォドン」の意味・わかりやすい解説

ステゴロフォドン
Stegolophodon

長鼻類ステゴドン科の1属。化石ゾウの1グループで,臼歯の形態に特徴がある。すなわち臼歯のそしゃく面に横列をつくってこぶ状隆起があり,その中央に縦の正中溝のあるマストドン段階の臼歯(ロフォドント型)と,エレファス段階の屋根形の稜をもつ臼歯(ステゴドント型)との中間的な形態の臼歯をもつゾウである。また,歯の交換も垂直交換の二生歯性から水平交換の一生歯性への移行過程にある長鼻類である。化石としては東および南アジアにその産出が限られ,中新世から更新世前期にわたる地層から発見されている。日本に最古のものが知られ,宮城,茨城富山,石川の各県の中新統中部からシュードラチデンスゾウS.pseudolatidens,ツダゾウS.tsudaiの2種が知られる。上・下顎に短い牙状の切歯がのび,細長くて低い頭部をもつ体高2.5mぐらいの比較的小型のゾウと思われる。長野県では鮮新世の地層よりシンシュウゾウS.shinshuensisが発見されている。インド,ミャンマー,中国では鮮新世から更新世初期にかけてのものが多い。かつては,このグループのものから現代型のゾウ(エレファスなど)が進化したと考えられていたこともある。
ゾウ
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ステゴロフォドン」の意味・わかりやすい解説

ステゴロフォドン
Stegolophodon

長鼻目ペンタロフォドン科の一属の小型化石ゾウ。長顎。二生歯性。瘤状咬頭が横に並ぶ低歯冠の臼歯で,臼歯面の谷に中央峰のみられるものがある。ユーラシア,アフリカの新第三紀鮮新世,第四紀更新世地層分布ステゴドンの祖先型とされ,松本彦七郎は 1924年 Prostegodon という属名を与えたが,先取権のあるステゴロフォドンにまとめられた。この類では,シュードラチデンスゾウ Stegolophodon pseudolatidens やツダゾウ S.tsuda など,日本で最古種が産出した。

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