世界遺産詳解 の解説 ストラスブールのグランディル【ストラスブールのグラン-ディル】 1988年に登録されたフランスの世界遺産(文化遺産)。グラン・ディルはドイツとの国境近く、ライン川の支流イル川の中州に位置し、古代ローマ軍の駐屯地を起源とする旧市街。「街道の町」を意味するストラスブールは、交通の要衝にあって中世から交易都市として栄え、文化面では中世末から16世紀にかけてドイツ人文主義の中心地になり、宗教改革でも拠点の一つになった。町は中世以来、ドイツとフランスの領有権争いから何度か帰属が変わったが、それが独自文化を育んだ。旧市街で最も重要な建物は、13世紀前半からゴシック様式に改築され壮大な規模を誇るノートル・ダム大聖堂で、堂内の「天使の柱」や西正面のバラ窓に見られる彫刻の秀逸さでも知られている。そのほか、宗教改革の中心となり、モーツァルトが演奏会を開いたサン・トーマ教会堂、18世紀のロココ建築で大司教住宅のロアン邸など、歴史・文化の変遷を示していることが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はStrasbourg-Grande île 出典 講談社世界遺産詳解について 情報