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ソマリア沖海賊集団 そまりあおきかいぞくしゅうだん

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知恵蔵2015の解説

ソマリア沖海賊集団

紅海の南端海域から、「アフリカの角」と呼ばれるソマリアアラビア半島の間にあるアデン湾およびソマリア沖周辺に出没する海賊集団。紅海は欧州とアラブ産油国からアジアへとつながる重要な輸送ルートで、日本の原油タンカーを含めて世界中の船舶が行き来する。海賊は自動小銃や携帯ロケット砲で武装したイスラム系のソマリア人たち。彼らは複数の高速小型艇でターゲットにした貨物船に接近し、ロープをつたって乗り込む。だが、船員に危害を加えたり積み荷を収奪したりすることはなく、高額な身代金を要求するのが目的である。ソマリア海賊集団の襲撃が始まったのは、1990年代初頭。長引く内戦下で貧窮した現地人たちが武器を手に入れ、沖合を通る船舶を襲い始めた。2006年から急増しており、国連の報告によると08年(1~10月)だけで65隻の船舶が襲われ、推定総額24億~30億円の身代金が海賊集団に支払われている。この襲撃数は世界の海賊事件の約3分の1。海賊集団はソマリア沿岸部の漁村を拠点にしており、そのほとんどが地元の元漁師と見られる。欧米メディアは、無政府状態のソマリアにあって、高収入を目当てに海賊集団に志願する若者が増えていることを指摘。またアルカイダと関係が深いイスラム過激派アルシャバブが同沿岸を支配していることから、身代金がテロの資金源に流れているという見方も強めている。こうしたなか、国連安保理も「深刻な懸念」を示し、08年12月16日には、ソマリア領海に加え、陸上での取り締まりを認める決議を全会一致で採択した。これを受けて、ソマリア沖に艦船を派遣していた米国やEU諸国に続き、中国も艦艇3隻を派遣することを表明。日本政府もソマリア沖の海上自衛隊派遣に法的根拠を与える「(仮称)海賊行為防止活動特別措置法案」の制定を検討している(08年12月時点)。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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