翻訳|Dallas
アメリカ合衆国、テキサス州北部の商工業都市。人口118万8580(2000)。トリニティ川に面し、周辺は灌漑(かんがい)による綿花地帯である。この地域は雨量が少ないので、トリニティ川水系に多くの貯水池があり、そこから市民の水を供給している。ダラスは合衆国南西部の金融・保険、卸売業の中心地であり、合衆国の第11地区連邦準備銀行の所在地である。また、繊維、織物、石油精製、電子部品、皮革、食品加工、航空機、せっけん・洗剤などの工業も発達している。第二次世界大戦以降の人口増加は著しく、1940年の都市圏人口は約29万であったが、60年には約108万、80年には約297万となり、90年には400万を越える都市圏へと成長した。2000年現在は522万1801人で合衆国第9位である。
1841年に河岸に小屋が建てられたのが最初で、56年に町となり、71年に市となった。地名はジョージ・M・ダラス副大統領(在任1845~49)にちなむ。1870年代に鉄道開通とともに綿花の取引地として栄え、その後、1930年代の石油ブームによってさらに発展した。第二次世界大戦中に航空機工業が加わったことで、ダラスの工業活動は多様化した。1974年、衛星都市の一つであるフォート・ワース市との間に開港したダラス‐フォート・ワース国際空港は世界最大の空港の一つで、年間発着回数は世界第2位(1997)である。また、教育機関としてはテキサス大学ダラス校、サザン・メソジスト大学、ベイラー大学歯学部と看護学部などをあげることができる。美術館、博物館、ミュージック・ホール、オペラ座などの文化施設も多い。三つの大きなコンベンション・センターがあり、毎年数多くのコンベンションが開催される。全米大学フットボールのコットンボウルの開催地としても有名である。1963年11月22日にケネディ大統領が暗殺されたのはこの地であった。
[菅野峰明]
アメリカ合衆国テキサス州北東部の商工業都市。人口121万3825(2005),大都市域人口280万(1992)。フォート・ワースなど多くの衛星都市をもち,同市との間にダラス・フォート・ワース空港(1974開港)がある。1870年代の鉄道開通とともに農牧業取引の中心として発達し,1930年ダラスの南東で大油田が発見され,以後石油関連産業が盛んである。第2次大戦中には航空機,戦後は電機・電子,ミサイルなどの諸産業が発展した。連邦準備銀行の一つがあり,合衆国南西部の金融・保険業の中心であるダラスは〈ビッグD〉と呼ばれ,市街部には石油会社をはじめ金融・保険関係の会社が集中し高層ビル街をなす。またテキサスは綿花地帯の西部の中心地(全米1位。1980)で,綿花の大取引所がダラスにある。毎年1月に開催されるアメリカン・フットボールの〈コットン・ボウル〉は有名である。1963年11月22日,第35代大統領ケネディは市内をオープンカーで通行中暗殺された。
執筆者:正井 泰夫
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