ダンカン

精選版 日本国語大辞典 「ダンカン」の意味・読み・例文・類語

ダンカン

(Isadora Duncan イサドラ━) アメリカの女性舞踊家。幼時から舞踊の才を示し、一八九九年シカゴでデビュー。パリ公演で成功をおさめた。あらゆる古典バレエの制約を避け、靴もタイツも捨てた自由で解放的な舞踊を開拓モダンダンス先駆者となった。著に「未来の舞踊」「自伝」など。(一八七八‐一九二七

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デジタル大辞泉 「ダンカン」の意味・読み・例文・類語

ダンカン(Duncan)

カナダブリティッシュコロンビア州の州都ビクトリアの北西約60キロメートルにある町。カウチン族の居留地があり、トーテムポールがいたるところで見られる。

ダンカン(Isadora Duncan)

[1878~1927]米国の女流舞踊家。モダンダンスの先駆者といわれる。ギリシャ風の衣装を着け、素足で即興的に踊った。

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百科事典マイペディア 「ダンカン」の意味・わかりやすい解説

ダンカン

米国の女性舞踊家。サンフランシスコに生まれる。因襲的なバレエを嫌い,ギリシアの舞踊を理想としてギリシア風のなだらかなチュニックの衣装とトー・シューズなどの靴をはかずに裸足で,即興的に自由な動きで踊った。モダン・ダンスの創始者ともいわれる。1896年ニューヨークにデビュー,翌1897年からロンドンやパリなどヨーロッパ各地でリサイタルを行った。ロシアでも公演し,バレエ界にも影響を与え,フォーキンが《レ・シルフィード》を作るきっかけにもなった。ベルリンやパリ,また革命後のモスクワなどに舞踊学校を設立し,教育にも尽くした。その自由な生き方とともに奔放な恋愛遍歴も知られ,特にロシアの詩人エセーニンとの恋は有名。首に巻いたショール自動車の車輪に巻き込まれる事故で,衝撃的な死を遂げた。著書に《わが生涯》など。→ルビンシテイン
→関連項目石井漠レッドグレーブ

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改訂新版 世界大百科事典 「ダンカン」の意味・わかりやすい解説

ダンカン
Isadora Duncan
生没年:1878-1927

アメリカの女流舞踊家。サンフランシスコに生まれる。クラシック・バレエのがっちりと組み立てられた体系に反旗をひるがえし,モダン・ダンスというジャンルが誕生するきっかけを作った。彼女は〈自然に帰れ〉をモットーとし,バレエのタイツや靴を用いず古代ギリシアのゆるやかなチュニック(貫衣)をまとい,感情のおもむくままに肉体を動かした。1897年からロンドン,パリ,ブダペストなど各地でソロ・ダンスによるリサイタルを催し,成功をおさめた。1905年にはロシアでもリサイタルを行ったが,それを見たM.フォーキンに大きな影響を与え,後に彼が《レ・シルフィード》などのモダン・バレエを振り付ける萌芽となったといわれている。05年,ベルリンに学校を作り妹のエリザベスとともに舞踊教育を行った。その後もヨーロッパ各地で公演を行い,アメリカでもたびたび踊っている。彼女の自由な生き方は当時の社会とは相いれなかったが,話題となった演出家クレーグ,ロシアの若い詩人エセーニンとの恋愛などを賛美する者も少なくなかった。コート・ダジュールをドライブ中にスカーフの端が自動車のスポークに巻きこまれ,首をしめられるという事故で波乱に富んだ生涯を終えた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダンカン」の意味・わかりやすい解説

ダンカン
Duncan, Isadora

[生]1877.5.26. サンフランシスコ
[没]1927.9.14. ニース
アメリカの舞踊家。本名 Angela Duncan。モダン・ダンスの祖といわれる。バレエを学んだが,ギリシア的な自然美を唱え,精神と肉体の解放による自由な舞踊法を編出し,チュニック風の衣をまとい素足で踊った。アメリカでは迎えられなかったが,ヨーロッパ,特にロシアとドイツでは称賛を浴び,新しい時代の旗手として話題をまいた。実生活も奔放で,ロシアの詩人 S.A.エセーニンの最初の妻であり,A.ロダン,R.ワーグナーらとも親交があった。 E.クレイグ,P.シンガーとの間に1人ずつ子供をもうけたが,2人とも自動車事故で失い,みずからも首に巻いた長いスカーフが乗っていたスポーツカーの車輪に巻きつくという偶発事故で死んだ。著書『わが生涯』 My Life。

ダンカン
Duncan, Adam, 1st Viscount Duncan

[生]1731.7.1. パース
[没]1804.8.4. ノーサンバーランド
イギリスの海軍軍人,提督。 1746年海軍に入る。 93年対フランス戦開始のとき海軍中将。 95年対オランダ戦で北海作戦を指揮してオランダ艦隊をテクセルに封鎖。さらに 97年 10月 11日オランダ海軍提督デ・ウィンテルの艦隊をテクセル付近で壊滅させアイルランド侵入計画を失敗させた。

ダンカン
Duncan, Ronald(Frederick Henry)

[生]1914.8.6. ソールズベリ
[没]1982.6.3. バーンステーブル
イギリスの詩人,劇作家。代表作『この墓場への道』 This Way to the Tomb (1945) のほか,B.ブリテンのオペラ『ルクリーシャの凌辱』 (46) などのリブレット (台本) も書いている。イギリス舞台劇団の創設者の一人。

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デジタル大辞泉プラス 「ダンカン」の解説

ダンカン〔キャラクター〕

円谷プロダクションによる特撮ドラマシリーズ「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣。発泡怪獣。初登場作品は『ウルトラセブン』。身長40メートル、体重1万5千トン。宇宙乱気流を避けるため地球に飛来。全身から出る蒸発泡で物体を消去・再生させることができる。

ダンカン〔戦艦〕

《Duncan》イギリス海軍の戦艦。ダンカン級のネームシップ。1901年進水、1903年就役の前弩級戦艦。名称は、18世紀のイギリス海軍提督、アダム・ダンカンの名にちなむ。1919年退役。

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367日誕生日大事典 「ダンカン」の解説

ダンカン

生年月日:1921年12月2日
アメリカの社会学者
1981年没

ダンカン

生年月日:1731年7月1日
イギリスの海軍提督
1804年没

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世界大百科事典(旧版)内のダンカンの言及

【グレープフルーツ】より

…ほかにイスラエル,アルゼンチン,南アフリカ,キプロスが主産国。 最初の経済品種である有核(種子あり)白肉のダンカンは1830年ころ生じた。現在の主要品種マーシュ(無核,白肉)は1860年ころ突然変異系統として発見された。…

【モダン・ダンス】より

…古典的なバレエ技法(ダンス・クラシック)に反発し,まったく新しい考え方に基づいて生まれたダンスの一様式。I.ダンカンを祖とし,1920年代のドイツで確立され,その後アメリカで発達をみた。〈モダン・ダンス〉という言葉は33年にアメリカの評論家マーティンJohn Martinが,ダンカンのフリー・ダンスfree dance(ニュー・ダンスともいう),ドイツのM.ウィグマンらのノイエ・タンツNeue‐Tanz(のちにモデルネ・タンツといわれた)やアメリカのM.グラームらのダンスを総称し定義づけたことに由来がある。…

※「ダンカン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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