日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュニック」の意味・わかりやすい解説
チュニック
ちゅにっく
tunic 英語
tunique フランス語
時代や国により多様な概念で広義に用いられる。(1)一般にほっそりした筒形のシルエットで、腰から膝(ひざ)あたりまでの丈、つまり3/4丈の衣服のこと。袖(そで)なしの場合も、袖のある場合もあるが、全体に単純な形で装飾的傾向の少ないことが多い。(2)歴史的には、古代ギリシアのキトン、古代ローマのトゥニカ、中世ヨーロッパのブリオーやコットなど、表着一般のこと。(3)軍服として略式の丈の長い上着の意。(4)宗教服に残るダルマティカの類をいう。
語源はラテン語のトゥニカで、本来、下着、皮(膜)、殻などの意であった。今日の婦人服では、チュニック・ドレスtunic dress、チュニック・コートtunic coat、チュニック・スーツtunic suitなどの名でよばれることが多い。
[菅生ふさ代]