チュニック(その他表記)tunic

翻訳|tunic

デジタル大辞泉 「チュニック」の意味・読み・例文・類語

チュニック(tunic)

細身に仕立てた七分丈の女性用上着。
古代ローマで着用したゆるやかなシャツ風の衣服。また、それに似た衣服。服の基本型一つで、最も単純な形のドレス

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精選版 日本国語大辞典 「チュニック」の意味・読み・例文・類語

チュニック

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] tunic )
  2. 古代ギリシア・ローマ人が日常着として用いたシャツのような服。
  3. に似た衣服。服の基本型の一つで、最も単純な形のドレス。
    1. [初出の実例]「ギリシャ風のチュニックをつけ素足で出て来た」(出典:第3ブラリひょうたん(1951)〈高田保〉バレー)
  4. チュニックコート
    1. [初出の実例]「仏人は『チュヌック』(校者曰、〈略〉婦人の服装の一種なり)を為(みせ)るとて」(出典:西哲夢物語(1887)一八)
  5. 軍服や僧服で外袍(がいほう)の下に着る短い上着。

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改訂新版 世界大百科事典 「チュニック」の意味・わかりやすい解説

チュニック
tunic

古代ギリシア,ローマから中世を通して着用された下着,表着,外衣などのさまざまな種類の衣服をいう。ラテン語のトゥニカ由来し,元来は一枚の布の真ん中に穴をあけて頭からかぶり,前後に垂れた布を腰でひも結びして着たいわゆる貫頭衣で,人類の衣服の原初的な形態の一種であった。その後,ギリシアのキトンのように布を体に巻きつけた上に肩をブローチで留めたり,ローマのトゥニカのように布に穴をあけてかぶり,腋下を縫いふさいだような形に発展した。中世以降,コットシュミーズダルマティカガウンコートなどの名称のもとに部分的に変化し,今日のような衣服に発達した。キリスト教の聖職者の祭服にもとり入れられ,また現在も軍服や制服の上衣をも指していう。現代の女性用の衣服では,長めの上衣にスカートやパンツを組み合わせたチュニック・スーツとして親しまれている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チュニック」の意味・わかりやすい解説

チュニック
ちゅにっく
tunic 英語
tunique フランス語

時代や国により多様な概念で広義に用いられる。(1)一般にほっそりした筒形のシルエットで、腰から膝(ひざ)あたりまでの丈、つまり3/4丈の衣服のこと。袖(そで)なしの場合も、袖のある場合もあるが、全体に単純な形で装飾的傾向の少ないことが多い。(2)歴史的には、古代ギリシアのキトン、古代ローマのトゥニカ、中世ヨーロッパのブリオーやコットなど、表着一般のこと。(3)軍服として略式の丈の長い上着の意。(4)宗教服に残るダルマティカの類をいう。

 語源はラテン語のトゥニカで、本来、下着、皮(膜)、殻などの意であった。今日の婦人服では、チュニック・ドレスtunic dress、チュニック・コートtunic coat、チュニック・スーツtunic suitなどの名でよばれることが多い。

[菅生ふさ代]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チュニック」の意味・わかりやすい解説

チュニック
tunic(tunique)

古代ギリシア・ローマ時代に着用した衣服。呼称の由来はラテン語 tunicaで,おおうものの意。袖のついた前合せの上衣で,膝下まで丈のあるのが普通。まっすぐな円筒形の服で,ウエストを締めるか締めないまま下着または上衣として着用され,今日の多くの上衣の原型とされる。現代では特に女性用の,スカートやズボンの外に出して着用する臀部までの上衣をいう。

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百科事典マイペディア 「チュニック」の意味・わかりやすい解説

チュニック

古代ローマの貫頭衣型の下着トゥニカに由来する衣服の総称。カトリックの司教の衣服や軍服などもいうが,現在では女性の腰丈くらいの長さのブラウスやコートをいい,ブラウスとスカートをドレス風に組み合わせたチュニック・ドレス,上下を共布で作ったチュニック・スーツなどがある。

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世界大百科事典(旧版)内のチュニックの言及

【衣服】より

身体装飾装身具服制服装【鍵谷 明子】
[衣服の形式]
 衣服の形は人体,風土,民族の生活,材料,性に影響されて多様なものが生まれてきた。しかし,基本的形態としては,紐衣(ちゆうい)型(リガチュアligature),巻き衣型(ドレーパリーdrapery),貫頭衣型(チュニックtunic),前開き型,腰衣(ようい)型(ロインクロスloin‐cloth),ズボン型などが見られる。紐衣型は獣皮衣と共に,人類の原始衣の形の一つで,旧石器時代のビーナス像や,古代エジプトの奴隷の腰部に紐状のものを巻きつけたものが見られ,腰衣型とも関連している。…

※「チュニック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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