レ・シルフィード(読み)レシルフィード

百科事典マイペディア 「レ・シルフィード」の意味・わかりやすい解説

レ・シルフィード

ショピニアーナChopiniana》(ロシア語原題)ともいう。ショパンのピアノ曲をグラズノフらが管弦楽用に編曲した音楽に,フォーキンが振り付けたバレエ。1907年に第1版,1908年に第2版がペテルブルグマリインスキー劇場上演。第2版をもとにさらに手を加えた版が1909年〈バレエ・リュッス〉のパリ公演で上演された。パブロワニジンスキーカルサビナらが出演。空気の精(シルフィード)と森に迷い込んだ詩人との踊りを幻想的に描き,ロマンティック・バレエへの賛歌をうたい上げた作品で,フォーキンの名を高めたモダン・バレエの傑作。《ラ・シルフィード》とは別作品。→ダンカン

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改訂新版 世界大百科事典 「レ・シルフィード」の意味・わかりやすい解説

レ・シルフィード
Les sylphides

ショパンの音楽にフォーキンが振付した1幕のバレエ。1906年の《ショピニアーナShopiniana(原作名)》を改作,09年ディアギレフバレエ・リュッスによってパリで初演された。ニジンスキー,アンナ・パブロワ,カルサビナらが出演。背景画を描いた舞台装置家ブノア(A.N.ベヌア)により《レ・シルフィード》と改題された。ロマンティック・バレエの代表作《ラ・シルフィード》に対し,空気の精たちを描くこの作は,主役だけでなく,コール・ド・バレエを効果的に使い作品全体に幻想性をもたらした。森に迷い込んだ詩人と清らかな空気の精たちがさまようロマンティックな詩的表現をとり,とくに筋はない。四つのバリアシヨン,一つのパ・ド・ドゥ,二つのアンサンブルが,プレリュードワルツマズルカなどを使って構成された。今日も各国のバレエ団でしばしば上演されているフォーキン振付の傑作の一つである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レ・シルフィード」の意味・わかりやすい解説

レ・シルフィード
Les Sylphides

音楽フレデリック・F.ショパン,振り付けミハイル・フォーキンによる 1幕のバレエ別名『ショピニアーナ』Chopiniana。1908年サンクトペテルブルグのマリインスキー劇場で,オルガ・I.プレオブラジェンスカ,アンナ・パブロワ,タマラ・P.カルサビナ,ワスラフ・F.ニジンスキーによって初演。1909年セルゲイ・パブロビッチ・ディアギレフバレエ・リュスレパートリーとしてパリで上演された。ショパンのプレリュード,ノクターン,ワルツ,マズルカなどをアレクサンダー・K.グラズノフらが管弦楽に編曲したものに振り付けられており,特に筋はなく,月光のさす森に踊る空気の精と詩人との語らいを情景描写した作品。女性は白いロマンチック・チュチュを着て踊り,バレエ・ブラン(白いバレエ)の代表的作品といわれている。世界の多くのバレエ団のレパートリーに採用され,繰り返し上演されている。

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デジタル大辞泉プラス 「レ・シルフィード」の解説

レ・シルフィード

ロシア出身の振付家ミハイル・フォーキンによる全1幕のバレエ(1907)。原題《Les Sylphides》。マリインスキー劇場で初演。『ショピニアーナ』とも呼ばれ、フレデリック・ショパンのピアノ曲を管弦楽版に編曲したものを多数使用していることで知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「レ・シルフィード」の意味・わかりやすい解説

レ・シルフィード
れしるふぃーど

ラ・シルフィード

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世界大百科事典(旧版)内のレ・シルフィードの言及

【アメリカン・バレエ・シアター】より

…当初は単に〈バレエ・シアター〉と称し,40年1月ニューヨークのラジオ・シティ・センターで4週間にわたる旗揚げ公演を開いた。フォーキンの《レ・シルフィード》,モルドキンMikhail M.Mordkinの《春の声》,ドーリンAnton Dolinの《クインテット》などで,11人の振付師,85人の舞踊手で21のレパートリーを上演。このうち6作品が世界初演であった。…

【フォーキン】より

…しかしバレエ・リュッスのパリ公演を企画したディアギレフはこの改革案に共感し,1909‐12年,14年のバレエ・リュッスの演目のほとんどをフォーキンに委嘱する。この時期に《レ・シルフィード》(1909),《ペトルーシカ》(1911),《ダフニスとクロエ》(1912),《金鶏》(1914,音楽はリムスキー・コルサコフ)など,20世紀バレエの幕開けを告げる名作がつくられた。これらは〈すべてのバレエはその主題と音楽に即した動きを与えられるべきで,古典舞踊のステップの濫用はさけなければならない〉という彼の主張を具現したものである。…

※「レ・シルフィード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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