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チェス Chess

翻訳|Chess

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チェス
Chess

2人で行う盤上ゲームの一種。6世紀にインドのヒンドゥスターン地方に起ったチャトゥランガがその起源とされる。その後ペルシア,アラビアを経て西ヨーロッパに伝わり,現在ではアメリカをはじめアジア各地でも行われている最も愛好者の多いゲームとなった。日本には明治時代以降,主として海外に留学した軍人や医師を通じて紹介され,1968年日本チェス協会結成後大衆化した。ゲームは8×8路の白黒に塗り分けたチェス盤に双方 16個ずつのを配置し,交互に1手ずつ動かしながら進められる。一方が相手のキングをチェックメイト (キングがチェックから逃れられない状態) することにより勝負が決するが,双方に勝ちのない場合は和局 (引分け) となる。

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百科事典マイペディアの解説

チェス

日本では西洋将棋とも呼ばれる。2人で行う室内遊戯。白黒各16個の駒を8×8目の白黒市松模様の盤に並べ,相手のキングを先にチェックメート(詰み)にしたほうが勝ち。
→関連項目チェッカー

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世界大百科事典 第2版の解説

チェス【chess】

2人で行う盤上ゲームの一種。日本の将棋や中国の象棋と源を同じくするといわれ,西洋将棋とも呼ばれる。チェスの起源は,前3世紀ころからインド北西部で行われていたチャトランガという戦争ゲームで,4人で行われたと考えられている。これが6世紀ころペルシアへ,そしてアラビアやビザンティン帝国を経て,9~10世紀ころ西ヨーロッパへ伝わった。チェス(ドイツ語Schach,フランス語échecs)の語源はペルシア語でシャー(王)のこと,チェックメート(王手)もペルシア語に由来する。

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大辞林 第三版の解説

チェス【chess】

ゲームの一。二人が白と黒に分かれ、それぞれ王(キング)・女王(クイーン)各一、ビショップ(僧正)・ナイト(騎士)・ルーク(城)各二、ポーン(歩兵)八の一六の駒を持って、縦八列、横八列に区切った市松模様の盤上で勝負を争うもの。日本の将棋に似るが取った駒は使えない。西洋将棋。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

チェス
ちぇす
chess

2人で行う盤上競技の一種。西洋将棋ともいう。古代インドに発祥したチャチュランガchaturangaがヨーロッパに伝えられ、徐々に変形し、15世紀に現行国際ルールが確立された。チェスの語源はペルシア語のシャー(王の意)。ドイツ語でシャッハSchach、フランス語でエシェックchecs、ロシア語でシャーフマトゥイшахматы/shahmatという。
 国際チェス連盟(FIDE(フィデ)、本部はスイスのローザンヌ)は1924年に創立され、現在日本も含め加盟157か国(1998)。年1回のチャンピオン決定戦(1998年までは2年ごと)と、2年ごとのチェス・オリンピックが行われる。国際通信チェス連盟(ICCF、本部ドイツ)は日本も含め加盟約110か国で、国対抗郵便チェス・オリンピアードなどを主催する。古来、王侯貴族の遊びであったが、現在では数億の競技人口をもつ頭脳スポーツとして普及している。
 また、コンピュータ・チェスが1970年代ごろから発達し、1997年にはIBM社のチェス専用マシン「ディープ・ブルー」が世界チャンピオンの一人であるロシアのガルリ・カスパロフを破って世界中の話題となった。[東 公平]

世界の概況

チェスの世界チャンピオンは歴代13人中7人が旧ソ連人であり、国対抗のチェス・オリンピックでも旧ソ連圏諸国が圧倒的にリードしていた。東ヨーロッパ諸国がこれに次ぎ、北ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、西ヨーロッパにも強豪が点在する。東南アジア、アラブなどの古い国には、その地域固有のチェスが残っており、ルールがそれぞれ異なっている。なお中国で流行している象棋(シャンチー)は、チェスとも日本将棋とも違う独特の形態だが、王を詰めるという目的だけは、いずれも共通している。[東 公平]

日本の概況

チェスの日本への伝来の時期については明確な証拠はないが、江戸時代と推定される。明治に入ると将棋の小野五平名人ら、一部の上流階級の間で行われた記録がある。流行をみせたのは第二次世界大戦後で、そのころは坂口允彦(のぶひこ)将棋九段を中心とした日本チェス連盟があった。1968年(昭和43)には日本チェス協会(JCA)が結成され、国際チェス連盟に加盟、初めて世界選手権大会に代表選手を送るなど本格的発展の緒についた。[東 公平]

用具と競技方法

盤は正方形で大きさに制限はなく、濃淡(黒白と通称する)の市松(いちまつ)模様で、8×8の64枡(ます)である。右手前に白枡がくるように置く。駒(こま)は木、象牙(ぞうげ)、石などでつくられた立体の人形状で、白黒各16、計32個。図Aのように枡目の中に並べ、白が先手で1手ずつ交互に駒を動かし、先に相手のキングを捕らえた(詰ませた)者の勝ちである。[東 公平]
駒の動かし方
キングは周囲8か所へ1歩ずつ動ける(図B(1)の右)。クイーンは縦・横・斜めにいくつでも動ける(図B(1)の左)。ルークは縦・横にいくつでも(図B(2)の右)、ビショップは斜めにいくつでも動ける(図B(3)の右)が、クイーン、ルークとともに、ほかの駒を飛び越えてはならない。ナイトは将棋の桂馬(けいま)のように八方に動き(図B(2)の左)、駒を飛び越してもよい。ポーンは原則として1歩前進だけだが、初めに並べられた位置から出るときに限り2歩前進(図B(3)の左)も許される。駒の性能は原則として不変だが、ポーンに限り相手陣の1段目に達すると同時にキング以外の望みの駒に変化する(成る)ことができる。通常、もっとも強力なクイーンに成るが、この際、盤上に本来のクイーンがあってもかまわず、新たなクイーンであることを目印で示せばよい。[東 公平]
駒の取り方
動かそうとする駒の行き先に相手の駒があれば、その位置まで進めて、相手の駒を盤から取り除く。取り除かれた駒は終わりまで使用できない(ポーンが成った場合の代替駒として再使用するだけ)。ただし、ポーンに限り、動き方と取り方が異なり(図Cの右)、取るときは斜め前に1歩進んで取る。したがって、ポーンの直前の枡に他の駒(敵味方を問わず)があると、そのポーンは、斜め前に相手の駒がこない限り動くことができない。[東 公平]
チェックとチェックメイト
次に相手のキングが取れる状態(図Cの左2例)をチェックcheckという。チェックをかけられた競技者は、かならず防御を施してキングを取られないようにする。それが不可能であるときはチェックメイトcheckmate(詰み)で、負けである(図Dの上2例)。もし誤ってチェックの解消を怠っても、相手方はキングを「取る」ことはできず、元の局面に戻して、チェックの防御をすることを許す。[東 公平]
反則とその処置
味方の駒に手を触れた場合、その人の番であればその駒を動かす義務が生じる。また相手の駒に触れた場合も、その駒を取らなくてはならない。ただし、上が不可能であればなんら罰則は適用されない。最初の駒の配置が誤っていたり、途中でルールに反した駒の動きがあり、しかも元の状態に復原できないときは、そのゲームは無効である。[東 公平]
特殊ルール・その他
〔1〕キャスリングcastling(入城) キングと、いずれか一方のルークとの間に駒がなくなったとき、1手で「キングを2間右(または左)へ動かし、ルークをその内側へ動かす」こと(図Dの下)ができる。ただし、この手は、(1)キングもルークもまだ動いたことがなく、(2)現在チェックをかけられておらず、(3)キングの通路に相手駒のきき道が通っていないときに限り許される。
〔2〕アンパッサンcapturing en passant(通過取り) 一方のポーン(白)が5段目まで前進し、他方のポーン(黒)が2歩前進して横に並んだとき(図Eの上左)、「相手のポーンが1歩前進したときと同じ形で」白ポーンは斜めに前進して、黒ポーンを取ることが許される。これは並んだ直後に取らなければ権利を失うが、取るのは任意である。
〔3〕ドローdraw(引き分け) 次の場合そのゲームはドローになり、0.5勝と計算する。(1)互いにキングだけになったとき、(2)互いにチェックメイトに十分な兵力がなくなったとき、(3)まったく同じ局面が1局に三度現れ、対局者の一方がドローを申し立てたとき(千日手(せんにちて))、(4)双方の見通しが一致して引き分けを認め合ったとき、(5)50手の間、互いに駒が取られず、ポーンも動かなかったとき(50手ルール)。
 なお、チェスでは白・黒各1回の動きを1手という。公式戦ではチェス・クロック(特別な時計)を使用し、一定の手数を一定の時間内に指し終わらなければ時間切れの負けになる。
〔4〕ステールメイトstalemate(手詰まり) 一方が現在チェックをかけられていないにもかかわらず、次に指す手がない、すなわち指せばキングを取られる状態にあるときはステールメイトと称して引き分けになる(図Eの下はその例)。[東 公平]

チェスの階級

世界チャンピオンに次いでグランドマスター、インターナショナルマスターの称号があり、競技成績を考課して国際チェス連盟が公認する。その次に各国のチェス団体が認可するナショナルマスター、エキスパートなどの階級があるが、国により水準も名称もまちまちである。[東 公平]
『坂口允彦著『チェス』(1961・誠文堂新光社) ▽東公平著『ヒガシコウヘイのチェス入門』(1975・河出書房新社) ▽有田謙二著『チェスの定跡と戦い方』(1980・河出書房新社) ▽ジャック・ピノー著『ジャック・ピノーのダイナミックチェス入門』(1995・山海堂) ▽渡井美代子著『図解チェス―必勝の手筋』(1997・日東書院)』

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