日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェッカー」の意味・わかりやすい解説
チェッカー
ちぇっかー
checkers
2人で行う盤上競技の一種。日本の挟み将棋にやや似ている。起源は古く、紀元前数千年のエジプトに原型があったといわれ、ホメロスの『オデュッセイア』にも記述がある。
多くの国に同系のゲームが存在するためルールの統一が困難で、いちおう国際ルール(ポーランドなどで行われていて、10×10の広い盤を使う)があるが、ここではイギリス、アメリカ、日本で広く行われているチェッカー(イギリスではドラフツdraughtsという)を解説する。基本的なルールには大差はないので、これを知ることで同類をマスターするのは容易である。
[東 公平]
用具と競技方法
盤は8×8の正方形で、64枡(ます)。濃淡の市松(いちまつ)模様(「チェス」の項参照)。右手前に白枡がくるように置き、黒枡だけを使う。駒(こま)は赤と黒各12個で平たい円筒形( )。黒が先手で1手ずつ交互に動かし、相手の駒を全部取ったほうの勝ち。引き分けもある。
〔1〕駒の動かし方 斜め前に1歩ずつ、前進だけ。相手陣のいちばん奥に入るとキングに成り、後退もできるようになる。
〔2〕駒の取り方 斜め隣に相手の駒があり、その向こうが空所であれば、飛び越えてこれを取る( (1)の右)。何個でも連続して取れる( (1)の左では1手で3個取れる)。取れる駒はかならず取らねばならない。取る手が二つ以上あれば任意の駒を取るが、数多く取れる場合はそのほうを選ばねばならない( (2)では左の2個を取る)。キングに成ると駒を2個重ねて表示する。キングに成ったときは、次に後退して取れる駒があっても、いったん停止せねばならない( (2)で一度に3個取ることはできない)。
[東 公平]