ビショップ(読み)びしょっぷ(その他表記)John Michael Bishop

デジタル大辞泉 「ビショップ」の意味・読み・例文・類語

ビショップ(bishop)

キリスト教会の高級聖職者。カトリックでは司教、プロテスタントでは主教または監督、ギリシャ正教会イギリス国教会では主教という。その他、僧正とも訳される。
チェスで、僧侶の帽子の形をしたこま。斜め四方へ動ける。

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精選版 日本国語大辞典 「ビショップ」の意味・読み・例文・類語

ビショップ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] bishop )
  2. キリスト教会の高級聖職者。ローマ‐カトリック教会では司教、ギリシア正教では主教・僧正、プロテスタントでは監督という。
    1. [初出の実例]「教父長(ビショップ) 拉的馬(ラチマー)」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九)
  3. チェスの駒の一つ。僧侶の帽子を形どり、斜め四方へ動くことができる。〔西洋将指南(1869)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビショップ」の意味・わかりやすい解説

ビショップ(John Michael Bishop)
びしょっぷ
John Michael Bishop
(1936― )

アメリカの微生物学者。ペンシルベニア州ヨークに生まれる。ゲティスバーグ大学で化学を学び、1957年に卒業、ハーバード大学医学部に進み、分子生物学、動物ウイルス学を研究し、1962年に博士号を取得した。マサチューセッツ総合病院勤務、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)での博士研究員などを経て、1968年にカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の助教授に就任、1970年準教授、1972年教授に昇格した。1986年(昭和61)に高松宮妃癌(がん)研究基金国際シンポジウム出席のため来日した。

 UCSFでレトロウイルスの研究を進め、RNAウイルス感染細胞のみにあると思われた逆転写酵素が正常細胞にもあることをみいだした。1970年から同じ大学のH・E・バーマスと共同研究を開始し、哺乳(ほにゅう)類の正常細胞内にがんを誘発する遺伝子があるという仮説をたて、その検証に取り組んだ。1976年に彼らは、ニワトリのレトロウイルスを研究した結果、正常細胞のなかにがん遺伝子に類似した遺伝子(がん原遺伝子)が潜在的に存在し、それが発がん物質などの作用で変化するとがんが発生することを証明した。さらに、がん原遺伝子は、正常な状態では細胞の増殖などの調節にかかわっていることが判明した。この業績に対して、ビショップとバーマスに1989年のノーベル医学生理学賞が授与された。

[編集部 2018年10月19日]


ビショップ(Sir Henry Rowly Bishop)
びしょっぷ
Sir Henry Rowly Bishop
(1786―1855)

イギリス作曲家。コベントガーデン指揮者オックスフォード大学の教授などを務め、通俗的なオペラを多数作曲した。今日では『ホーム・スイート・ホーム(埴生(はにゅう)の宿)』の作曲者としてのみその名をとどめている。

[三宅幸夫]


ビショップ(Elizabeth Bishop)
びしょっぷ
Elizabeth Bishop
(1911―1979)

アメリカの女流詩人。マサチューセッツ生まれ。寡作だが、キリコの初期の絵のようなイマジスト風の的確なイメージと、知的に処理された物語性によって高く評価される。詩集『北と南』(1946)によって認められ、『詩集』(1955)でピュリッツァー賞受賞。1956年には『北と南』に新しい詩を加えて、『寒い夏』として再出版。ほかに『ライフ』誌の編集部と協力した『ブラジル』(1962)や『旅の問題』(1965)などがある。

[大橋健三郎]


ビショップ(司教)
びしょっぷ

司教

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビショップ」の意味・わかりやすい解説

ビショップ
Bishop, Elizabeth

[生]1911.2.8. マサチューセッツ,ウースター
[没]1979.10.6. ボストン
アメリカの女流詩人。バッサー・カレッジ卒業後,世界各地を旅行,ブラジルには 20年近く住んだ。寡作な作家で,おもな詩集は『北と南』 North and South (1946) ,その増補版『北と南-冷たい春』 Poems:North & South-A Cold Spring (55,ピュリッツァー賞) ,『旅の疑問』 Questions of Travel (65) ,『全詩集』 Complete Poems (69,全米図書賞) ,『地理 III』 Geography III (77) ,『全詩集  1927-1979』 Complete Poems 1927-1979 (83,死後出版) など数少いが,美しい口語を駆使して奥深い自然観照を歌っている。ほかに短編小説,旅行記などを含む『全散文集』 The Collected Prose (84,死後出版) など。

ビショップ
Bishop, John Michael

[生]1936.2.22. ヨーク
アメリカの医学者,ウイルス学者。ゲティスバーグ大学卒業 (1957) 後,ハーバード大学医学部に入り博士号取得 (62) 。国立衛生研究所でウイルスを専門に研究,カリフォルニア大学サンフランシスコ校に転じ,同大学教授 (72) 。 1981年から同大学 G.F.フーパー研究財団の所長を兼任。 H.E.バーマスとの共同研究で,癌遺伝子が正常細胞にも存在することを発見。この遺伝子が化学物質の作用やウイルスに取込まれることによって細胞を癌化する能力を獲得することを明らかにした。二人の研究は発癌の仕組みを解明する大きな業績で,89年ノーベル生理学・医学賞を受賞した。

ビショップ
Bishop, Sir Henry Rowley

[生]1786.11.18. ロンドン
[没]1855.4.30. ロンドン
イギリスの作曲家,指揮者。コベントガーデン,ヘイマーケットなどの劇場の指揮者を歴任。 1848年オックスフォード大学の音楽の教授になった。軽歌劇の作曲を得意としたが,今日では『ホーム・スイート・ホーム』『聞け,ひばり』が有名。

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改訂新版 世界大百科事典 「ビショップ」の意味・わかりやすい解説

ビショップ
Elizabeth Bishop
生没年:1911-79

アメリカの詩人。女流詩人として,マリアンヌ・モアの次の世代を代表し,モア同様,精密で微細な事物描写を得意とする。《北と南》(1946),《旅の諸問題》(1965),《地理Ⅲ》(1977)などの詩集がある。その題名からもうかがえるように,風土や地勢に対する関心が強く,それらを題材にした詩が多い。そして特異な体験から普遍的な命題を引き出し,また逆に,日常的な事象から意表をつく独特の考察を導き出す。
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