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ツィンカーナーゲル Zinkernagel, Rolf M.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ツィンカーナーゲル
Zinkernagel, Rolf M.

[生]1944.1.6. スイス,バーゼル
スイスの医学者。 1970年バーゼル大学で,75年オーストラリア国立大学でそれぞれ博士号を取得。チューリヒ大学教授などを経て,92年同大実験免疫学研究所長。 1973~75年オーストラリア・キャンベラにあるジョン・カーティン医科大学で,P.C.ドハティと共同で,髄膜炎に感染させたマウスを使って免疫系である白血球の1種Tリンパ球 (キラーT細胞) がウイルス感染細胞を殺す仕組みについて実験した。その結果キラーT細胞の免疫作用が働くためにはキラーT細胞自身の主要組織適合抗原 (MHC) とウイルス感染細胞の MHCが同じ場合に限られることを発見,74年雑誌『ネイチャー』に発表。細胞が「自己」と「非自己」の識別作用をもつという発見により,リウマチや糖尿病などの研究のほかワクチンの設計でも大きな進展がみられたが,この業績が評価されたのは 20年後であった。ドハティとともに 95年ラスカー賞,96年ノーベル生理学・医学賞を受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ツィンカーナーゲル
つぃんかーなーげる
Rolf M. Zinkernagel
(1944― )

スイスの免疫病理学者。バーゼル近郊の生まれ。1968年バーゼル大学医学部卒業。1971年チューリッヒ大学に進学。外科医の研修を経て1973年オーストラリア国立大学に進学、P・ドハーティと細胞性免疫の標的認識機構について共同研究を行い1975年博士号を取得。1976年スクリップス・クリニック研究財団免疫病理学部門準教授、1979年同教授。同年スイスに戻りチューリッヒ大学病理学準教授、1988年同教授。1992年より同大学実験免疫学研究所所長となる。
 細胞性免疫が働く際に、Tリンパ球(T細胞)が、ウイルスに感染した標的細胞の細胞膜表面に提示された抗原を認識するとともに、自己の細胞であることを示す主要組織適合遺伝子複合体(MHC:major histocompatibility complex)も認識していることを、マウスを用いた実験で明らかにした。すでに知られていたBリンパ球(B細胞)による抗体性免疫とあわせて、生体の免疫システム解明に貢献。これらの功績により、ドハーティとともに1996年のノーベル医学生理学賞を受賞した。[馬場錬成]

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