テトラヒドロカンナビノール

化学辞典 第2版 の解説

テトラヒドロカンナビノール
テトラヒドロカンナビノール
tetrahydrocannabinol

C21H30O2(314.46).略称THC.インドアサCannabis sativa var. indicaの未熟果穂から得られる樹脂中に存在する麻薬の有効成分.無色の粘ちゅうな液体.沸点155~157 ℃(6.6 Pa).1.5432.-156°(エタノール).水に不溶,有機溶媒に可溶.植物から得られるものは Δ1-3,4-trans体で,二重結合は酸によって容易に Δ6-位に異性化する.動物体内で代謝されて二重結合位にヒドロキシ基が導入され,それらの酸化されたものが麻薬作用の本体であることが判明している.LD50 27.5 mg/kg(マウス静注).[CAS 1972-08-3]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のテトラヒドロカンナビノールの言及

【興奮薬】より

…(6)幻覚薬 幻覚,妄想および人格や感情の混乱を生ずる薬物である。メキシコ産のサボテンのアルカロイドであるメスカリン,インドタイマの成分であるテトラヒドロカンナビノール,麦角アルカロイドの誘導体であるリゼルギン酸ジエチルアミド(LSD),メキシコ産のキノコのアルカロイドであるシロシビンなどが研究されている。なかでもLSDは1μg/kgの少量で多幸感,幻覚など精神分裂病様の症状をひき起こす。…

※「テトラヒドロカンナビノール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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