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デトロイト財政破綻 でとろいとざいせいはたん

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知恵蔵2015の解説

デトロイト財政破綻

2013年7月、「モーター・シティ」として知られる米国デトロイト市が連邦破産法9条の適用を申請し、事実上の財政破綻(はたん)となった事象。負債総額は180億ドルを超え、米国自治体の破綻としては過去最大。年内をめどに、市は裁判所に再建計画を示す方針で、年金を含めた職員の待遇の見直しや、市が所有する土地・空港、美術品(デトロイト美術館の収集品等)などの資産の洗い出しが進められている。
ミシガン州南東部に位置するデトロイト市は、近郊の炭田・鉄山と五大湖の水運に恵まれ、早くから鉄鋼業・機械工業が発達した。1903年にヘンリーフォードフォード・モーター社を設立すると、GM(ゼネラル・モーターズ)、クライスラーも進出。これら「ビッグ3」が本社を構えるデトロイト市は、戦中戦後にかけて米国のみならず世界の自動車産業を牽引(けんいん)してきた。
しかし60年代になると、デトロイト中心部の工場は郊外や他州に移転し、多くの雇用が失われた。更にエネルギー問題環境問題への関心が高まるなか、70年にマスキー法(自動車排ガス規制法)が制定されると、「ビッグ3」の大型車は人気を失い、80年代には燃費の良い日本の小型車に圧倒されるようになった。またグローバル化の進展で、デトロイト近郊に残っていた工場も、コストの安い中南米や中国に移転。税収減に歯止めがかからず、デトロイト市は深刻な財政難に陥った。2009年には、サブプライムローン問題に端を発した金融危機が苦境にあえぐ自動車業界を直撃し、4月にクライスラー、6月にGMが経営破綻した(その後、両社とも米政府の支援等により再生)。
こうして、自動車関連産業に依存していたデトロイト市の製造業の職は、1950年の約29万6千から、2011年には約2万7千まで減少した。最大約185万人あった人口も、12年には約70万人までに大幅減。税収の落ち込みとともに公務員も減ったため、公共サービスの低下も著しく、街灯の4割が消え、公園の7割が閉鎖されたままという(13年財政破綻時)。また警察官人員削減で犯罪率も上昇し、デトロイト市は「全米で最も危険な都市」といわれるまでになった。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2013年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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