トゥルナイゼン(英語表記)Eduard Thurneysen

改訂新版 世界大百科事典 「トゥルナイゼン」の意味・わかりやすい解説

トゥルナイゼン
Eduard Thurneysen
生没年:1888-1974

スイスのプロテスタント教会牧師神学者。父が牧師をしていたワレンシュタットに生まれ,バーゼルで成長。バーゼル,マールブルクで神学を学び,1913年からアールガウ州のロイトウィル教会牧師。同じころ隣村で牧師をしていたK.バルト親交を結び,生涯盟友となった。クッターH.Kutter,C.ブルムハルトの影響を受け,バルトらとともに〈弁証法神学〉の運動を始めた。同運動のための1922年発刊の雑誌《時の間》にも共同編集者として加わった。30年からバーゼル大学教授として勤務するかたわら,同地のミュンスター教会牧師。主著《牧会学》(1946)のほか多くの著書があり,邦訳もなされている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥルナイゼン」の意味・わかりやすい解説

トゥルナイゼン
Thurneysen, Eduard

[生]1888.7.10. ワレンシュタット
[没]1974
スイスの改革派神学者,牧師。 1927年から牧師をつとめ,30年からバーゼル大学実践神学教授。ブルームハルト (子) や H.クッターの影響を受け,K.バルトの親交を得て,弁証法神学の確立に寄与する。その後,弁証法神学者たちがバルトを離れてからも,常にバルトを助けた。牧会学や福音的説教の分野ですぐれた働きをした。弁証法神学者の機関誌『時の間』 Zwischen den Zeiten (1922~32) の編集にあたる。主著『ドストエフスキー』 Dostojewski (21) ,バルトとの共同説教集『来れ,創造主よ,聖霊よ』 Komm,Schöpfer,Geist (24) ,『牧会学』 Die Lehre von der Seelsorge (46) 。

トゥルナイゼン
Thurneysen, Rudolf

[生]1857.3.14. バーゼル
[没]1940.8.9. ボン
スイス生れのドイツの言語学者。イェナフライブルク,ボン各大学の教授を歴任ケルト語派の比較言語学的研究の発達に大きな貢献をした。主著『古代アイルランド語便覧』 Handbuch des Altirischen (2巻,1909) ,『17世紀までのアイルランド英雄伝説ならびに王者伝説』 Die irische Helden- und Königsage bis zum 17. Jahrhundert (21) など。

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世界大百科事典(旧版)内のトゥルナイゼンの言及

【バルト】より

…11年ザーフェンウィル村の教会の牧師。隣村ロイトウィルの教会にトゥルナイゼンがおり,2人は生涯にわたる親交を結ぶ。当時は〈宗教社会主義〉の全盛期であり,2人はその指導者クッターH.Kutterの影響を強く受ける。…

【弁証法神学】より

…F.ゴーガルテンはこれに共鳴して《我は三一の神を信ず》(1926)を著し,E.ブルンナーは《神秘主義と言葉》(1924)を著した。さらにE.トゥルナイゼンやメルツG.Merz(1892‐1959)も加わって,1922年に雑誌《時の間》を刊行した。 しかしやがてゴーガルテンは民族性重視に傾いて脱落し,ブルンナーは自然神学の問題で渡り合い,R.K.ブルトマンは実存論的解釈学を主張して別れ,バルトのもとに最後まで残った盟友はトゥルナイゼン一人であった。…

※「トゥルナイゼン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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