日本大百科全書(ニッポニカ) 「どんぐり」の意味・わかりやすい解説
どんぐり
どんぐり / 団栗
コナラ、ミズナラ、クヌギ、カシワ、アラカシ、シラカシなどの果実の総称。とくにクヌギの果実をさして使われる場合もある。これらの果実は堅果とよばれ、外側は堅い果皮で覆われ、熟しても裂開しない。果皮の中には1個の種子があり、種子は無胚乳(はいにゅう)である。この果実の下方は皿状あるいは椀(わん)状の総包が互いに癒合して生じた部分(殻斗(かくと))に包まれている。果実の形はクヌギ、アベマキ、カシワでは球形、シラカシなどでは広楕円(こうだえん)形、ミズナラなどでは卵状楕円形、アラカシ、ウバメガシでは楕円形、コナラ、マテバシイでは長楕円形をとるなど、さまざまである。熟すると果実は総包から離れ落ちる。古くから、どんぐりは、飢饉(ききん)のときになると、渋を抜いて食料とされてきた。
[吉田 治]