ド・ロ(読み)De Rotz,Marc M.

朝日日本歴史人物事典 「ド・ロ」の解説

ド・ロ

没年:大正3.11.7(1914)
生年:1840.3.27
明治期に来日したパリ外国宣教会(カトリック)宣教師。フランス・ウォスロー出身。明治1(1868)年来日。キリシタン伝統用語保存を訴えたB.T.プティジャンに応え日本最初の石版印刷術を導入する。プティジャン版といわれる教書類はほとんどド・ロによる。長崎でそうした出版事業に努める一方,疫病救護,孤児養育にかかわった。12年外海(長崎県西彼杵郡)赴任後は教育・医療のほか,農漁業,建築などの技術を指導,またマカロニ,パンの製法技術も教え「ドロさま薬」「ドロさまゼリー」などの名を残す。在日46年間の社会福祉事業は僻村の貧しい民に自活の道を開いた。長崎で死去。<参考文献>片岡弥吉『ある明治の福祉像』,谷真介『外海の聖者

(大江満)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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