ナブ(その他表記)Nabu

改訂新版 世界大百科事典 「ナブ」の意味・わかりやすい解説

ナブ
Nabu

バビロニアの神。マルドゥクとその配偶神ツァルパニートゥムの子。祭儀の中心地はバビロン近郊のボルシッパであったが,前15世紀にはアッシリアにも崇拝が広がり,ニネベとカルフが祭儀の中心地となった。前1千年紀のバビロニアにおいてシュメール起源のニサバ女神に代わって学芸の神となり,書記守護神としてあがめられた。さらに運命の書板の記入者として後には最高神の一人となる。シンボルは書記のペンスタイラス)である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナブ」の意味・わかりやすい解説

ナブ
Nabu

バビロニア=アッシリア神話に出てくる書記術の守護神,植物神。その名は「呼ぶ者」または「輝く者」を意味するらしい。マルドゥクの息子で,年の初めのザグムークの祭典で人間たちの1年間の運命が決定される神々の議決を運命の碑文に書込む役目をもつ。この役目が与えられたのは,彼と妻タシュメトームが文字を発明したからであり,彼は文学も司った。彼の聖所はボルシパにあり,マルドゥクの神殿エサンギラの中にエジダと呼ばれる礼拝堂があった。バビロニア第1王朝以前には,その名は見出されない。旧約聖書ではネボとして登場する。

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