ノン

精選版 日本国語大辞典 「ノン」の意味・読み・例文・類語

のん

  1. ( 助詞「の」の変化したもの。近世末期に上方にあらわれる )
  2. [ 1 ] 〘 格助詞 〙の[ 一 ]①(ロ)(ハ)〔格助詞〕
    1. [初出の実例]「そないに東京が好いのんなら、東京へいたらええ」(出典:兵隊の宿(1915)〈上司小剣〉一)
  3. [ 2 ] 〘 終助詞 〙の〔終助詞〕
    1. [初出の実例]「幕の内にこそ肴はたんと有のん」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)七)

のんの補助注記

里見弴「父親」の「そやよってん早う出してしもたらええのんに、阿保やな」や、谷崎潤一郎「卍」の「相談しに行った云ふのんで、後で怒ったぐらゐですねん」などの「のんに」「のんで」という形は「のに」「ので」の変化したものではなく、「のん」に「に」「で」の付いたものと思われる。


ノン

  1. 〘 感動詞 〙 ( [フランス語] non ) いいえ。いや。否。ノー。⇔ウイ
    1. [初出の実例]「さうして『ノン』と答へる代りに、子供のやうに首を振って見せた」(出典:舞踏会(1920)〈芥川龍之介〉一)

のん

  1. 〘 接続助詞 〙 ( 接続助詞「のに」の変化したもの ) =のに〔接続助詞〕
    1. [初出の実例]「こん天気のえいのん朝寝してどうするだい」(出典:隣の嫁(1908)〈伊藤左千夫〉一)

ノン

  1. 〘 造語要素 〙 ( [英語] non ) 他の語の上に付けて、無いこと、また、打消の意を添える語。「ノン‐フィクション」「ノン‐ストップ」「ノン‐セクト」など。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android