ハーナウ(読み)はーなう(その他表記)Hanau am Main

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハーナウ」の意味・わかりやすい解説

ハーナウ
はーなう
Hanau am Main

ドイツ中部、ヘッセン州の都市。人口8万8300(2000)。マイン川と右岸の支流キンツィヒ川との合流点に位置し、古来、交通上の要地。12世紀に築かれた城の周囲に発達した集落は、1303年に都市権を得た。16世紀末には、旧教徒為政者に迫害されたベルギーオランダからの新教徒亡命者を受け入れ、整然とした区画の新市街が建設された。童話で知られるグリム兄弟の生地で、カッセルを経てブレーメンに至るいわゆる「メルヘン街道」の起点。ライン・マイン工業地域の東端にあり、伝統工業の繊維、貴金属加工、宝石研摩のほか、タイヤ工業などが立地する。

[朝野洋一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハーナウ」の意味・わかりやすい解説

ハーナウ
Hanau

ドイツ中部,ヘッセン州の都市。フランクフルトアムマインの東約 20km,マイン川沿岸に位置する。 1303年市制。長い伝統をもつダイヤモンド加工,金,銀,プラチナ細工などの宝石・貴金属加工と取引が盛ん。石英ガラス化学ゴム,ビール醸造などの諸工業も立地。町の 80%以上が第2次世界大戦中空襲で破壊されたが 14世紀のマリエン聖堂,2つの市庁舎など歴史的建造物が残されている。グリム兄弟の生誕地で,その記念碑もある。人口8万 6913 (1991推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

デジタル貿易

国境を越えて、データや情報の移転を伴う商取引の総称。ECサイトやコンテンツ配信サービスの利用、国外にある宿泊施設の予約など、インターネットを基盤とし、電子的または物理的に提供される製品・サービス全般を...

デジタル貿易の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android