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バイエラ Baiera

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バイエラ
Baiera

裸子植物イチョウ目イチョウ科の化石属。葉の外形は現在のイチョウの葉に一致するが,葉面は多くの細長い裂片に分かれ,各裂片には数本の平行脈があって分岐する。バイエラとギンゴイテスとの間には形態的に顕著な差はない。前者は三畳紀から白亜紀前期まで,後者は三畳紀から現在まで生存する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バイエラ
ばいえら
[学]Baiera

中生代に産した裸子植物イチョウ類に属する植物。三畳紀後期から白亜紀初期にかけ世界的に分布した。イチョウ類の葉形は、葉が多数の裂片に分かれているバイエラ属から、中程度に裂けたギンゴイテス属Ginkgoitesへ、そしてほとんど裂片に分かれないイチョウ属Ginkgoへと変化傾向のあることが知られている。しかし、葉形による分類は機械的で、現在では4本以下の脈を有する細裂片に分かれたものをバイエラ属、4本以上の脈をもつ裂片に分かれたものをイチョウ属に分類し、中間のギンゴイテス属はイチョウ属に含める場合が多くなっている。一般にジュラ紀中期くらいまではバイエラ属が卓越し、それ以降はイチョウ属とされる型が出現する。
 日本の中生代のイチョウ類は山口県美祢(みね)市大嶺(おおみね)町や岡山県高梁(たかはし)市成羽(なりわ)町の三畳系の地層から多産するが、裂片が20~30に及ぶバイエラ・アサダイB. asadai型、裂片が10内外のギンゴイテス・シビリカG. sibirica型、それに2~4裂片にしか分かれないイチョウ型が共存している。このような変異が同一個体の異なる場所における葉の形態の違いを示すものかどうか議論されている。同一種とする場合、これを表す名称としてバイエラ・フルカータB. cf. furcataが使用されている。[浅間一男・西田治文]
『西田誠編、進化生物学研究所・東京農業大学農業資料室共同企画『進化生研ライブラリー4 裸子植物のあゆみ――ゴンドワナの記憶をひもとく』(1999・信山社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のバイエラの言及

【イチョウ】より

…これは二叉分枝して1本の葉脈をもった細い線形の葉と,羽状に分枝し木の枝の先端に1個の胚珠をつける大胞子葉が対をなして生えていた。中生代に入ると線形の葉が癒合をくりかえし,数本の平行脈をもった帯状またはへら状の葉(バイエラBaiera,ギンゴイテスGinkgoites)をへて,しだいにイチョウのような扇形の葉に移行し,二叉分枝した葉から扇形の葉にいたる進化過程を見ることができる。またしばしばイチョウの雌花が分枝し,多数の胚珠をつけることがあるのも先祖返り現象と見られている。…

※「バイエラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

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