バッファー(読み)ばっふぁー(その他表記)buffer

翻訳|buffer

精選版 日本国語大辞典 「バッファー」の意味・読み・例文・類語

バッファー

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] buffer )
  2. 列車などの)緩衝装置。また、緩衝役目をはたすもの。〔万国新語大辞典(1935)〕
  3. バッファーメモリー」の略。
  4. マニキュア用の爪磨き
    1. [初出の実例]「バッファーを使って磨き立て爪の光沢をだす」(出典:整容(1940)〈小幡恵津子〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バッファー」の意味・わかりやすい解説

バッファー
ばっふぁー
buffer

コンピュータで、処理速度の異なる装置の間に置いて、双方の速度差を埋めるために使われる機器のこと。緩衝装置。バッファともいう。

 一般的に、CPU中央処理装置)と比べて他の部品や周辺機器は動作速度が遅い。そのため、ただ単に両者を接続しただけでは、データをやりとりする際にCPUに待ち時間が発生して全体の処理速度が落ちることや、データの一部を取りこぼしてエラーになることがある。それらの問題を回避するため、データをメインメモリーの一部や専用メモリーなどに一時保存してから、遅い機器の動作にあわせてデータを送信するのがバッファーの役割である。ハードディスクや各種ドライブデータとの読み書きプリンターへのデータ転送などで利用される。

 たとえば、プリンターが実際に印刷する速度は、通信速度や処理速度と比べるとかなり遅い。そこで、印刷データをメモリーに一時的に蓄えておき、印刷にあわせて再送信することで円滑に印刷できるようになる。これはプリンターバッファーとよばれる。

 また、CPUにデータを転送する前、通信速度と処理速度の差を埋めるために使われることも多い。インターネット経由で動画を見る場合、通信速度やサーバーの処理能力などの影響で、データ遅延を起こしてスムーズに再生されないことがある。バッファーにデータを仮保存しておいて、ある程度蓄えられてからデータを送れば、とぎれなく再生できるようになる。

[編集部]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「バッファー」の解説

バッファー

処理速度に差がある装置間に緩衝として設置されるメモリー。処理の速い装置が処理の遅い装置の速度に合わせてしまうと、全体の速度が落ちるため、データをいったんバッファーに蓄えておくことで、処理の速い装置の待ち時間を減らす。バッファーには、高速なメインメモリーの一部や、専用のメモリーが使用される。たとえば、CPUとディスク装置やプリンターなどの周辺装置との間にバッファーが設けられ、両者の処理速度の違いを緩和する。CPUは処理後のデータをバッファーに転送したあとは、すぐに次の仕事に取りかかれる。一方、バッファーは受け取ったデータをディスクやプリンターなどに対して、小出しに転送する。これにより、CPUは周辺装置の処理を待つことなく動作でき、システム全体の処理速度が向上する。バッファーの例としては、プリンター・バッファーやハードディスクのドライブ・バッファー、ストリーミング配信のバッファーなどがある。データをバッファーに記録することをバッファリングという。

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