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バラムツ oilfish

世界大百科事典 第2版の解説

バラムツ【oilfish】

スズキ目クロタチカマス科の海産魚。肉が油っぽいので高知などではアブラウオという。英名も同様。沖縄ではインガダルミ(油が多いので胃がたるむの意)と呼ばれる。太平洋,インド洋,大西洋の熱帯を中心とした温暖域に分布する。日本近海では中部以南の太平洋岸の沖合域に生息する。最大全長3m近くなるが,ふつうは1.5~2m,体重30~50kgほどのものが多い。体は紡錘形で,頭が大きく,また眼や口も大きい。上あごに強大な犬歯がある。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バラムツ
ばらむつ
oil fishescolar
[学]Ruvettus pretiosus

硬骨魚綱スズキ目クロタチカマス科に属する海水魚。世界中の熱帯から温帯にかけて分布し、日本では福島県南部以南、九州・パラオ海嶺(かいれい)、東シナ海などの400~850メートルの深海にすむ。体は大きく、全長3メートル、体重50キログラムにもなる。第1背びれは低くて14本前後の棘(とげ)からなること、第2背びれと臀(しり)びれの後方にそれぞれ2本の小さいひれがあること、側線が不明瞭(ふめいりょう)で、体が微細な円鱗(えんりん)と骨性の棘(きょく)状物で覆われることなどが特徴。体色はすみれ色または紫褐色で、死後に暗褐色となる。後期仔魚(しぎょ)は体高があり、頭がきわめて大きく、体長約1センチメートルものでは頭長は体長の45%にもなる。
 延縄(はえなわ)、底引網などで漁獲される。以前は食料にされていたが、肉に人が消化できない脂(ワックスエステル)が多く、食べると下痢(げり)などの危険があり、ひまし油魚costor-oil fishともよばれる。現在は流通が禁止になっているが、資源量が多いので、ワックスを取り除いて利用する方法が研究されている。[落合 明・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のバラムツの言及

【魚貝毒】より

…食べると肛門から油が染み出るといわれ,下痢が起こるのは異常に多い脂肪(グリセリド)のためと考えられている。
[バラムツなど]
 バラムツ,アブラソコムツは深海性の魚で,マグロとともに陸揚げされ,魚市場でもよく見かける。肉はかなり美味で,多量に食べると激しい下痢を起こす。…

※「バラムツ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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