パントテン酸(読み)パントテンサン

デジタル大辞泉 「パントテン酸」の意味・読み・例文・類語

パントテン‐さん【パントテン酸】

《pantothenは、あらゆる所の意》ビタミンB複合体の一。広く動植物に分布し、特に肝臓・卵・酵母などに多い。補酵素の構成成分。欠乏すると成長停止・皮膚炎などが起こる。

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精選版 日本国語大辞典 「パントテン酸」の意味・読み・例文・類語

パントテン‐さん【パントテン酸】

  1. 〘 名詞 〙 ( パントテンは[ドイツ語] Pantothen ) ビタミンB複合体の一因子。化学式は C9H17NO5 淡黄色液状で普通はカルシウム塩として医薬に用いられる。

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「パントテン酸」の解説

パントテンさん【パントテン酸】

水溶性ビタミンのひとつ。糖質脂質たんぱく質代謝に不可欠な補酵素。食品中に広く分布し、特に乾燥酵母、卵、牛乳、肉類、魚介類豆類、干ししいたけなどに多く存在する。副腎皮質ホルモンの合成を促し、血糖値を上昇させてエネルギー産生し、アレルギー・ストレス・疲労回復に効果を発揮するほか、善玉コレステロールの増加、動脈硬化・心筋構梗塞の予防などの作用をもつ。◇かつて、「ビタミンB5」とも呼ばれていた。「パントテン酸」(pantothenic acid)は、ギリシア語由来で「広くどこにでもある」の意。

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百科事典マイペディア 「パントテン酸」の意味・わかりやすい解説

パントテン酸【パントテンさん】

ビタミンB複合体の一つで,生体内では多くコエンザイムAの構成成分として存在。欠乏すると,ニワトリでは皮膚炎,脊髄神経変性,産卵低下,脂肪肝を起こし,ラットでは皮膚炎のほか副腎に損傷を起こす。ヒト欠乏症はあまり知られていない。腸内細菌によって合成され,その一部が腸から体内に吸収され利用される。酵母,胚芽,豆類,肝臓に多く含まれる。(図)
→関連項目ビタミン

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栄養・生化学辞典 「パントテン酸」の解説

パントテン酸

 C9H17NO5 (mw219.24).

 ビタミンB5ともいわれた.B群ビタミンの一つ.補酵素Aの構成成分.ヒト血漿の正常値は6μg/dl以上,全血では80μg/dl以上とされる.

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食の医学館 「パントテン酸」の解説

ぱんとてんさん【パントテン酸】

炭水化物や脂質の代謝、ストレスへの抵抗力や免疫の強化、善玉コレステロール増加などの働きがあります。不足すると感染症への抵抗力が落ち、食欲不振やイライラをまねきます。レバー、ニジマス、子持ちカレイ、納豆、鶏もも肉、たらこなどに多く含まれています。成人1日あたりの目安量は男性5mg、女性4~5mg、上限はとくにありません。

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毛髪用語集 「パントテン酸」の解説

パントテン酸

ビタミンB5の別称。代謝を助け、エネルギー産生やホルモン、抗体の合成に必要である。「抗ストレスビタミン」とも言われる。単独で摂るより、ビタミンB6・ B12、ビオチン、葉酸、カルシウムと一緒に摂るのが効果的である。

出典 抜け毛・薄毛対策サイト「ふさふさネット」毛髪用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のパントテン酸の言及

【ビタミン】より

…前者にはビタミンA,D,E,Kなどがあり,脂肪に含まれる必須脂肪酸をビタミンFということもある。後者にはビタミンB1,B2,B6,B12,C,ニコチン酸,パントテン酸,ビオチン,葉酸などがある。
【各種のビタミン】
 以下,主要なビタミンの生理作用,欠乏・過剰症について解説する。…

※「パントテン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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