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脂肪肝 しぼうかんfatty liver

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

脂肪肝
しぼうかん
fatty liver

肝臓内に中性脂肪が異常に多量沈着する状態をいう。肝細胞半数以上に脂肪空胞が認められると脂肪肝といい,肝機能低下状態で脂肪の多い食事をとり,蛋白質を少ししか食べないことなどが原因とされる。肥満アルコールのとり過ぎ,糖尿病,薬の中毒なども原因になる。原因を取除けば,多くは比較的短期間で正常に戻る。慢性肝炎との鑑別が大切。

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デジタル大辞泉の解説

しぼう‐かん〔シバウ‐〕【脂肪肝】

肝臓に大量の脂肪が沈着した状態。また、その肝臓。栄養過多・アルコール過剰摂取・肥満・糖尿病などが要因となって起こり、肝硬変へ移行することも多い。

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百科事典マイペディアの解説

脂肪肝【しぼうかん】

脂肪の沈着と腫大を示す肝臓をいう。肥満,糖尿病,アルコールの多飲,ステロイドホルモン投与時などのほか,栄養障害,甲状腺機能亢進症などが原因となる。肝臓は腫大しているが機能は比較的障害されていないことが多く,原因除去により予後良好。
→関連項目アルコール性肝障害強肝剤高脂血症

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とっさの日本語便利帳の解説

脂肪肝

肝細胞に中性脂肪の脂肪滴がたまった状態。原因はアルコール・脂質・糖質の過剰摂取、ホルモン異常、妊娠、栄養不良状態など。生活習慣病につながるため、対策は重要。

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栄養・生化学辞典の解説

脂肪肝

 肝臓に脂肪が異常に蓄積している状態.

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生活習慣病用語辞典の解説

脂肪肝

肝臓の細胞内に中性脂肪が過剰に蓄積した状態のこと。栄養過多、糖尿病、お酒の飲み過ぎ、薬物使用などが原因となります。肥満者のほぼ半数に脂肪肝がみられます。食事や運動による肥満改善や禁酒によって改善が可能です。

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家庭医学館の解説

しぼうかん【脂肪肝 Fatty Liver】

[どんな病気か]
 肝臓に、中性脂肪(ちゅうせいしぼう)(トリグリセリド)が蓄積した状態です。
[原因]
 アルコール過飲、肥満(栄養過多)、糖尿病が、脂肪肝の三大原因です。
 まれに薬剤性脂肪肝(やくざいせいしぼうかん)や、女性の場合は急性妊娠性脂肪肝(きゅうせいにんしんせいしぼうかん)(妊娠後期におこり重症化することがある)のことがありますし、子どもの場合は、ライ症候群(しょうこうぐん)(コラム「ライ症候群」)が原因のことがあります。
[検査と診断]
 急性妊娠性脂肪肝とライ症候群以外は、脂肪肝とわかる症状がないのがふつうです。
 健康診断などの検査で偶然、発見されることがほとんどです。
 血液中のChE(コリンエステラーゼ)、TC(総コレステロール)の値が上昇します。また、アルコール性脂肪肝ではGOTが、それ以外の脂肪肝はGPTが上昇します。しかし、血液検査だけでは、脂肪肝と診断することはできず、腹部の超音波検査やCTの検査と照らし合わせて診断します。
 確定診断には、皮膚の上から針を刺し、肝臓の組織を微量採取してきて調べる肝生検(かんせいけん)が必要です。
[治療]
 原因に対する対策を講じることがたいせつです。これで、たいていの脂肪肝は解消し、健全な肝臓にもどります。
 肥満、糖尿病、栄養過多が原因であれば、減量を行ないます。
 アルコールが原因であれば、禁酒を厳守し、薬剤が原因の場合は、薬剤の使用を中止します。

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食の医学館の解説

しぼうかん【脂肪肝】

《どんな病気か?》


〈脂肪肝の3大原因は肥満、アルコール、糖尿病〉
 脂肪肝(しぼうかん)は、肝細胞の内部に脂肪が異常に多く蓄積した状態をいい、肝臓の重量の5%を超えた場合、または、肝細胞の30%以上に脂肪が蓄積している場合に、脂肪肝と診断されます。
 しかし、脂肪肝ではあまり自覚症状がありません。ひどくなったときに、食欲がなくなったり、疲労感を感じたりする程度です。そのため、健康診断での血液検査の際に、GOTやGPTの上昇がみられることから偶然発見されることが多いようです。脂肪肝は重大な疾患につながるようなことはありませんが、まれに肝硬変(かんこうへん)へ移行することがあります。また、肝機能を正常に保つためにも、蓄積した脂肪を取り除くことはたいせつです。
 おもな原因には、肥満、アルコール、糖尿病(とうにょうびょう)があります。それぞれが原因となっていたり、または複合的に影響している場合もありますが、その原因を明らかにして、体重をコントロールしながら、肝細胞に蓄積した脂肪を取り除くようにします。
 肥満が原因の場合、まずは減量が必要です。摂取カロリーの制限と運動によって、体重が減少すると、検査数値も改善され、蓄積した脂肪も減少していきます。
 アルコールが原因の場合には、禁酒が大前提になります。禁酒によって脂肪の合成が減少し、逆に蓄積した脂肪が分解され、改善されていきます。
 糖尿病が原因の場合には、糖尿病の食事療法に従います(「糖尿病」参照)。

《関連する食品》


〈摂取カロリーを制限しつつ、たんぱく質を補給する〉
 原因はいずれにしても、食生活で気をつけなければいけないことは、摂取カロリーの制限です。摂取カロリーの目安は、標準体重1kgあたり、20~25kcal。以下を参考に、標準体重を計算し、そのうえで摂取カロリーを計算してください。また、著しい肥満の場合には、標準体重1kgあたり20kcalが目安です。
〈適正エネルギーの簡易算出法〉
適正エネルギー量(kcal)=生活活動強度指数×標準体重(kg)
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
*生活活動強度とは、Iが散歩、買い物程度のゆっくりした歩行1時間以内。IIが通勤、立位の業務などを2時間以内。IIIはIIの生活をしている人が1日1時間程度の速歩、サイクリングなどを行っているか、農作業、漁業などの運動強度の高い業務を1時間程度行っている場合。IVはそれ以上となります。
*また、生活活動強度指数については以下を参照してください。[年齢/I(低い)/ II(やや低い)/ III(適度)/ IV(高い)]の形で示しています。
・18~29歳/男31 女31/男36 女35/男41 女40/男46 女45
・30~49歳/男29 女28/男33 女33/男38 女37/男42 女41
・50~69歳/男28 女27/男32 女31/男37 女35/男41 女39
・70歳~/男28 女27/男32 女31/男37 女35/男41 女39

○栄養成分としての働きから
 そのうえで、重要となる栄養素がたんぱく質です。たんぱく質は、肝細胞の再生と、脂肪を肝臓から放出するのをうながします。とくに良質なたんぱく質が好ましく、とうふやダイズ、たまごや鶏のささみなどで摂取しましょう。
 また、肝臓での基礎代謝を促進するには、ビタミンやミネラルが必要です。ビタミンはトマトやレタス、ピーマンから、ミネラルはシイタケやワカメ、コンブなどの海藻類から摂取できますが、ビタミン・ミネラルの各種類を多くの食品から摂取すると、より効果的です。
 脂質や糖質の吸収を抑える作用がある食物繊維の摂取も欠かせません。
 シイタケやエノキタケなどのキノコ類やこんにゃくなどは、食物繊維を豊富に含むほか、摂取カロリーの制限にも役立ちます。

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世界大百科事典 第2版の解説

しぼうかん【脂肪肝 fatty liver】

肝臓における脂肪の代謝障害により,個々の肝細胞内に脂肪,おもに中性脂肪が異常に蓄積する状態。肝臓の生検を行って染色標本を顕微鏡で観察すると,細胞内に沈着した脂肪が空胞状にぬけて見える(肝細胞脂肪変性)。通常,観察しうる細胞の50%以上にこのような変性をみとめるものを脂肪肝と呼ぶが,ひどい場合には,ほとんど全細胞に及ぶ。原因としては,肥満(栄養過多),糖尿病,飲酒過剰(これをアルコール性脂肪肝という),薬物毒性などがあるが,一方,高度の栄養障害(タンパク質欠乏,吸収不良)によっても生じる。

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大辞林 第三版の解説

しぼうかん【脂肪肝】

肝臓に中性脂肪が異常に蓄積した状態。飲酒過剰・栄養過多・糖尿病などにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

脂肪肝
しぼうかん

正常な肝組織中にはリン脂質、中性脂肪、コレステロールなどの脂質が含まれているが、脂肪肝は肝細胞中に中性脂肪が蓄積することにより肝の中性脂肪が異常に増加した状態である。成因によって、アルコール性、過栄養性、内分泌性(糖尿病やクッシング症候群)、薬物性(コルチコステロイド、テトラサイクリンなど)、妊娠性などがある。このほか、コレステロールやリン脂質脂肪肝のような特殊型脂肪肝もある。なお、アルコール過飲や栄養不適による脂肪肝は、脂肪性肝硬変の原因となる。
 肝細胞の中性脂肪が増加する機序は、一般に末梢(まっしょう)脂肪組織の脂肪酸が動員されて肝に集まり、中性脂肪の生成が増えること、また中性脂肪の利用が不十分となり、さらにリポタンパクの合成不足によって、超低比重リポタンパク(VLDL)として肝外へ出ることが障害されることによる。
 脂肪肝の自覚症状は軽度の全身倦怠(けんたい)感、疲労感を訴えることがあるが、まったくないこともあり、健康診断や偶然の機会に発見されることが多い。肥満、アルコール過飲、高カロリー輸液、糖尿病、ステロイドなどの薬物投与、妊娠後半期におけるテトラサイクリン投与歴などに注意する。なお、小児に脳症を伴う脂肪肝があり、ライReye症候群とよばれる。診断は肝機能検査、画像検査、肝生検を総合して行う。血清トランスアミナーゼ(AST、ALT)の軽度上昇、コリンエステラーゼの高値などがあると、腹部エコーで肝にびまん性(病変あるいはその状態が、一か所ではなく広範囲に広がっているようす)の高い反射があり、CTスキャンではびまん性の低密度を認めることで診断が可能であるが、確認は肝生検による。過栄養性脂肪肝と慢性肝炎との鑑別診断は重要で、困難な場合もある。予後は妊娠脂肪肝、ライ症候群を除くとよい。
 脂肪肝のなかに、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)という病気がある。飲酒しない(1日1合以下)にもかかわらず、アルコール性肝炎と同じく肝細胞の変性(風船様の肝細胞膨化、マロリー小体)と炎症による好中球細胞浸潤と線維化などが肝臓に生じる。肝硬変に進行するとともに、肝細胞癌(がん)を併発することもある。原因は、メタボリック症候群(肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常症など)や薬物(タモキシフェンなど)、低栄養状態による。診断は、脂肪肝があることを肝機能検査や腹部超音波検査、CTで知るとともに、最終的には肝生検による。治療は、食事療法と運動療法を含む生活習慣の改善や原因となる薬物の中止などによる。[太田康幸・恩地森一]

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世界大百科事典内の脂肪肝の言及

【肝炎】より

…十分な栄養とは,一般的に35~40kcal/kg,タンパク質80~100g,脂肪40~60g,および高ビタミンをいう。過度の高カロリーは,かえって脂肪肝を引き起こす。急性肝炎の治療に各種の薬剤が使用されるが,その根拠は,多くは慢性肝炎に対する二重盲検法による有効性にもとづいている。…

※「脂肪肝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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