ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ヒレル」の解説
ヒレル
Hillel
[没]後10頃
ユダヤ教のラビ。バビロン生れ。 40歳頃エルサレムに遊学し,パリサイ人の指導者となった。当時パリサイ派内で有力であったシャンマイ派に対抗して,演繹と類推をもとにした律法解釈の方法を「7則」にまとめ,進歩的論理主義の立場に立った。また倫理の面では,律法全体の精神を「自分にとっていやなことを隣人に対してするな」という,キリスト教の黄金律を逆に表現したような形で要約し,異教徒や改宗者に対しても開かれた態度で接した。シャンマイ亡きあと,ヒレルに従うものがヒレル派を形成,律法解釈の主流を占めた。
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