核酸を構成する単位物質で,ピリミジン核を基本骨格とする塩基性物質。生体中では,プリン塩基とともにヌクレオチドとして核酸の構成単位となる。DNA中にはシトシンとチミンが,RNA中にはシトシンとウラシルが含まれる。
DNA中で紫外線照射により二量体となり,遺伝子傷害の原因となる。また,核酸中では修飾されたピリミジン塩基も存在し,真核生物遺伝子DNA中の5-メチルシトシン,T偶数系ファージの5-ヒドロキシメチルシトシンなどが知られる。
執筆者:柳田 充弘
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ピリミジンおよびその誘導体の総称.これらの化合物は塩基としての性質を示す.その種類は非常に多いが,そのうち,シトシン,ウラシル,チミン,5-メチルシトシン,および5-ヒドロキシメチルシトシンの5種類は,生体中に核酸の塩基部分として存在する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…アデニン,グアニンならびにこれらが修飾を受けた塩基は,プリン骨格をもつので,プリン塩基と呼ばれる。一方シトシン,チミン,ウラシルならびにこれらの修飾塩基は,ピリミジン骨格をもつのでピリミジン塩基と呼ばれる。先に示したDNA鎖とRNA鎖の化学構造において,糖とリン酸との間のホスホジエステル結合部位に着目すると,核酸の鎖に方向性のあることがわかる。…
※「ピリミジン塩基」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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