ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フィリップ(善良公)」の意味・わかりやすい解説
フィリップ(善良公)
フィリップ[ぜんりょうこう]
Philippe III, le Bon
[没]1467.6.15. ブルーヘ
フランス,第3代ブルゴーニュ公 (在位 1419~67) 。父のジャン (無畏公)からフランドルとブルゴーニュ公・伯領を相続,アルマニャック派による父の暗殺を機にイングランドと同盟関係に入り,1420年イングランド王ヘンリー5世とトロア条約を結び,ヘンリーにフランス王位継承権を認めたが,35年にはシャルル7世とアラスの和約を結んで,フランス王の家臣である旨を宣し (アルマニャック派とブルゴーニュ派の和解) ,マコン,オーセールの伯領やソンムの若干の都市を得た。公の権威はブルーヘ (ブールジュ) や,ヘント (ガン) の服従によってフランドルにおいても確立し,「西ヨーロッパ大公」の名にふさわしい真の領邦国家を建設した。 29年金羊毛騎士団をつくり,ファン・アイクやロジェ・ファン・デル・ワイデンらの美術家を保護し,59年ブルゴーニュ慣習法の公式編纂を行なった。
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