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フッ化炭素 フッかたんそ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

フッ化炭素
フッかたんそ

フッ化黒鉛」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

フッ化炭素
ふっかたんそ
carbon fluoride

炭素とフッ素の化合物。脂肪族炭化水素のフルオロ誘導体たとえばCF4、C2F6その他、およびベンゼンのフルオロ化合物C6F6などがある。またグラファイト化合物と通称される(CF)nやC4Fなどもある。
(1)四フッ化炭素 化学式CF4、式量88.0。テトラフルオロメタンともいう。炭素あるいは一酸化炭素をフッ素と反応させて得られる。きわめて安定な無色の気体。融点-183.6℃、沸点-127.8℃。比重1.986(-195℃)。水に難溶。
(2)ヘキサフルオロエタン 化学式C2F6、式量138.0。エタンに窒素で希釈したフッ素を反応させて得られる。無色の気体。融点-106.3℃、沸点-79~-78.6℃。エタノール、四塩化炭素に易溶。
 CF4、C2F6あるいはそれらの一部を塩素あるいは臭素で置換した化合物はフロンあるいはフルオロカーボン、クロロフルオロカーボンなどという慣用名でよばれることが多い。またこれらはアメリカのデュポン社の商品名としてのフレオンという名称でも広く使われている。たとえばCF4はフレオン14、C2F6はフレオン116、CCl3Fはフレオン11、CCl2FCClF2はフレオン113などである。フロン類はきわめて安定で、耐水性、耐熱性、耐薬品性に優れ、冷媒としての用途のほかにエーロゾル製品や、推進剤の溶剤、半導体の洗浄剤などとして広く用いられていたが、オゾン層破壊の原因となるなどとされ、現在では使用が禁止されている。
(3)ヘキサフルオロベンゼン 化学式C6F6、式量186.1。ヘキサクロロベンゼンに高温でフッ化カリウムを反応させて得られる無色の液体。融点5℃、沸点80.2℃。比重1.6182(20℃)。
(4)グラファイト化合物。黒鉛を400~500℃でフッ素と反応させると通称一フッ化炭素CFx(x=0.68~0.99)が得られる。x=~0.7で黒色、~0.8で灰色、~0.9で銀白色であり、0.98を超えると無色透明となる。これはきわめて安定な非導電性物質であり、固体潤滑性、撥水(はっすい)性、撥油性に優れている。黒鉛の平面構造が失われ、椅子(いす)型配置のC6環が連なった炭素の網面にFが結合した層間化合物である。
 また黒鉛に室温でフッ素‐フッ化水素の混合気流を反応させると青黒色のビロード様外観をもったC4F~C3.57Fが得られる。これは黒鉛の平行平面構造を残したまま規則的に平面と垂直方向にフッ素が結合したものである。C4Fの比重2.077。[中原勝儼]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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