ドイツの詩人。デトモルトの貧しい家庭に生まれ、学業なかばで商店などに勤めるかたわら詩作の道に入る。英・仏ロマン派の影響を受け、『ライオン騎行』(1835)など独特の色彩感、異国情緒あふれる作品を発表、時の詩壇に新風を吹き込んだ。1844年、詩集『信念の告白』で政治詩人に転身して話題をよび、その後もマルクスの『新ライン新聞』などに数々の鮮烈な政治詩を発表した。代表作には『死者より生者へ』(1848)、『新ライン新聞訣別(けつべつ)の辞』(1849)などを含む『現代政治社会詩集』(1849~51)がある。晩年はその大半を亡命の地ロンドンで過ごすが、政治の世界から疎遠になるとともに、その詩の泉もしだいに涸(か)れていった感がある。
[宮野悦義]
『井上正蔵訳『フライリヒラート詩集』(1948・日本評論社)』▽『井上正蔵訳『ドイツ解放詩集』(河出文庫)』
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
1810~76
ドイツの詩人。ロマン的詩人として出発するが,詩集『信念の告白』で革命陣営に走り,1848年三月革命が起こるとマルクス(カール)とともに『新ライン新聞』を編集し活動した。革命失敗後はロンドンに亡命し,晩年はドイツに帰り静かに余生を送った。
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