プラストシアニン(その他表記)plastocyanin

改訂新版 世界大百科事典 「プラストシアニン」の意味・わかりやすい解説

プラストシアニン
plastocyanin

下等な藻類から高等被子植物にいたるまで多くの植物に含まれている銅タンパク質。酸素発生を伴う光合成植物に分布し,光合成細菌には存在しない。葉緑体のチラコイド膜に存在し,光合成系において電子伝達の働きをする。分子量は1万余で,二量体を形成しているものもある。単量体あたり銅1原子を含む。全アミノ酸配列が多くの種で決定されており,ポプラでは三次構造も決められている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

化学辞典 第2版 「プラストシアニン」の解説

プラストシアニン
プラストシアニン
plastocyanin

クロロフィル(葉緑素)のなかで,シトクロムfからP-700への電子伝達を行う,比較的小さい分子量(10500)の銅タンパク質.非常に強い吸収帯を600 nm 付近もち,美しい青色をしているので,ブルー銅タンパク質とよばれる.酸化還元電位は370 mV.高い酸化還元電位,強い吸収帯を示すなど,一般の平面型銅(Ⅱ)錯体性質が異なっている.これは,銅(Ⅱ)イオンのまわりの配位環境が特異であることによる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android