プルーデンシャル保険会社(読み)プルーデンシャルほけん(英語表記)Prudential Insurance Co.of America

改訂新版 世界大百科事典 の解説

プルーデンシャル保険[会社] (プルーデンシャルほけん)
Prudential Insurance Co.of America

メトロポリタン生命保険会社と並ぶアメリカで最大の生命保険会社。本社ニュージャージー州ニューアーク。ドライデンJohn Fairfield Dryden(1839-1911)が1873年ニューアークに設立したWidows' and Orphans' Friendly Societyがその前身。75年にPrudential Friendly Societyとなり,77年に現社名となる。労働者向けの簡易保険に力を注ぎ,企業規模を拡大し,19世紀の末期には同じく新興メトロポリタン生命保険会社とともに,古くからの三大生命保険会社,Mutual Benefit Life Insurance Co.,Equitable Life Assurance of the United States,New York Life Insurance Co.に次ぐ地位を占めた。工業化の進展に伴う労働者の増大を背景に,外務員による効率的な集金システムdebit system,団体生命保険への取組みなどにより,積極的に資金の吸収を図った。一方特定の資本系列に属さない立場からの有望企業への投資などの結果,1920年代にはメトロポリタン生命保険会社と並ぶ二大生命保険会社となった。その間1916年には特定の株主支配を避けるため,株式会社から相互会社へ組織を変更した。その後,証券引受けにおいて,大恐慌の影響が比較的軽かった保険会社が主力となるようになり,プルーデンシャル保険会社もモルガン・グループとの結びつきを強めつつ事業を拡大した。第2次大戦後は,地域本社制を確立するとともに,活発な新商品の開発により74年までにはメトロポリタン生命保険を総資産,保険契約残高,新規契約高で抜いた。損害保険,リース業など事業の多角化にも積極的で,81年にはアメリカで第8位のベーチェ証券会社Bache Halsey Stuart Shields Inc.を買収金融コングロマリットの方向へ進んでいる。また1979年にはソニー合弁でソニー・プルーデンシャル生命保険を設立,日本に進出した。総資産4011億ドル(2004年12月)。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android