ベルンスタン(読み)べるんすたん(その他表記)Henry Bernstein

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルンスタン」の意味・わかりやすい解説

ベルンスタン
べるんすたん
Henry Bernstein
(1876―1953)

フランスの劇作家パリのユダヤ系の家に生まれる。処女戯曲『市場』(1900)、『突風』(1904)など一連の作によってバタイユ好敵手と目され、とくに『秘密』(1913)はバタイユの『結婚行進曲』(1905)に劣らぬ、女主人公の情熱的な性格と劇作技術が完全に調和した佳作と賞賛された。二つの世界大戦の間の初期の作『ジュディット』(1922)は、ユダヤ系作家としてまれな聖書に取材した作で、繊細な心理分析と詩的雰囲気が火花を散らし、その後も戦前の荒っぽい芝居という定評を打破した。さらに『フェリックス』(1926)、『メロ』(1929)など一作ごとに時代に即した新機軸を出し、劇作の名人ぶりを発揮した。

[本庄桂輔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベルンスタン」の意味・わかりやすい解説

ベルンスタン
Bernstein, Henry Léon Gustave Charles

[生]1876.1.20. パリ
[没]1953.11.27. パリ
フランスの劇作家。父はユダヤ人銀行家喜劇『市場』 Le Marché (1900) ,『突風』 La Rafale (05) ,『秘密』 Le Secret (13) ,『希望』 Espoir (34) などを書き,構成の妙と筋のおもしろさで,H.バタイユと人気を二分した。

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