ベルーガ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベルーガ
べるーが
belugagiant sturgeon
[学]Huso huso

硬骨魚綱チョウザメ目チョウザメ科に属する魚。カスピ海黒海、アゾフ海とそれに注入する河川に生息し、各水域ごとに種族が分かれる。体は大きく、サメに似た体形をしている。体表には菱(ひし)形の大きな骨板が縦に5列に並び、口は三日月型で大きく、頭部の腹面に開く。口の前に4本の扁平(へんぺい)なひげがある。ひげが葉状であること、体のもっとも高いところが体の背面にある第1骨板よりも後方であること、背びれの直後に骨板がないことなどで、同属のダウリアチョウザメkaluga sturgeon/Huso dauricusと区別する。海ではニシン類、コイ類、底生動物などを食べて成長し、雌は18年、雄は14年ぐらいで成熟し、100年以上も生きた例がある。
 遡河(そか)性で産卵のため9~11月、一部は冬または春に川の中流や上流に上って岩礫(がんれき)底で産卵する。産卵数は普通、数十万個であるが、体重1.2トンの大形魚では770万個で、この場合、卵巣は146キログラムもあり、100キログラムのキャビアができるが、品質はよくない。普通に生息していたチョウザメ類であったが、乱獲のために資源は減少し、国際自然保護連合のレッド・リスト(2013)では、野生で極度に高い絶滅のリスクに直面していると考えられるCritically Endangerd(深刻な危機)に指定されている。[落合 明・尼岡邦夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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