アゾフ海(読み)アゾフカイ(英語表記)Azovskoe more

デジタル大辞泉 「アゾフ海」の意味・読み・例文・類語

アゾフ‐かい【アゾフ海】

Azov黒海北東部にある内湾。ドン川が注ぎ、ケルチ海峡で黒海に通じる。

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精選版 日本国語大辞典 「アゾフ海」の意味・読み・例文・類語

アゾフ‐かい【アゾフ海】

  1. ( アゾフは Azov ) 黒海北東、ウクライナ南東部の内湾。ドン川が注ぐ。最大深度は一五メートル。

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改訂新版 世界大百科事典 「アゾフ海」の意味・わかりやすい解説

アゾフ海 (アゾフかい)
Azovskoe more

黒海北東部の湾入で,西はウクライナ,東はロシアに囲まれ,南はケルチ海峡を介して黒海に通じる。ラテン語でパルス・マエオティスPalus Maeotis(〈スキタイの沼〉の意)。古代ロシアではスロジスコエ海Surozhskoe moreと呼ばれた。面積3万8000km2,平均深度8m,最深点14m。クバン,ドンなどの大河が流れこむ。沿岸の大半は低平で,砂嘴(さし)の発達が良く,細長い淡水の潟湖を数多く形成している。年間水量は,河川より約40km3,降水より13km3を受けとり,蒸発により34km3を失い,残りの大半17.4km3がケルチ海峡を通って黒海に流出する。表面水温は7~8月に25~30℃,1月には0℃以下に下がり,2~3月は結氷する。塩分濃度は南に濃く9~11‰である。チョウザメニシンウグイスズキなどの漁獲がある。おもな港はロストフ・ナ・ドヌー,タガンログ,ケルチなどである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アゾフ海」の意味・わかりやすい解説

アゾフ海
あぞふかい
Азовское Море/Azovskoe More

ヨーロッパとアジアの間にある黒海北部の湾入で、ロシア連邦とウクライナにまたがる。ロシア連邦内では最小の内海。英語名Sea of Azov。ケルチ海峡で黒海に通ずる。東西360キロメートル、幅140キロメートル、面積3万8000平方キロメートル。水深は平均8メートル、最深部で14メートル。塩分濃度は南部で11、その他で9~10。表水温は夏季に25~30℃に達するが、11月下旬~3月上旬には結氷する。左回りの沿岸流によって北・東海岸には砂嘴(さし)と砂堆(さたい)の発達が顕著である。北東タガンログ湾にドン川が流入する。ウグイ、ニシン、コイ、チョウザメなどの漁獲がある。沿岸のおもな港はタガンログ、マリウポリ(旧ジダーノフ)、ケルチである。

[保谷睦子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アゾフ海」の意味・わかりやすい解説

アゾフ海
アゾフかい
Azovskoye more

黒海の北に位置する浅い内海。ウクライナ南東部とロシア南西部にまたがり,クリミア半島(クルイム半島)とクバン川三角州低地に囲まれている。ケルチ海峡によって黒海と,またゲニチェスク海峡によって西方のシバシ湖とつながっている。西南西-東北東方向の長さ約 350km,中央部の南北幅が約 150km,面積3万 8000km2。平均水深 9m,最深部でも約 14mで,世界で最も浅い海である。 12月末~2月末は結氷。時計の針と逆方向に流れる沿岸流は東岸と北岸に特徴的な砂嘴を,また,西岸には細長いアラバト岬を形成している。海水の塩分濃度は,ドン川,クバン川,ミウス川などの流入により薄い。漁業が盛んで,チョウザメ,カワカマス,コイ,ボラ,ニシンなどが重要な漁獲であり,東岸のロシアのエイスクとテムリュクが主要漁港。沿岸主要港はロシアのロストフナドヌー,タガンログ,ウクライナのマリウーポリ,ケルチなど。

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百科事典マイペディア 「アゾフ海」の意味・わかりやすい解説

アゾフ海【アゾフかい】

黒海北部,ウクライナ,ロシアの浅い内湾。ロシア語でAzovskoe more。ケルチ海峡により黒海と結ばれる。最深14.5m,総面積3万8000km2。南岸で漁業(チョウザメ,ニシン,スズキなど)が盛んである。
→関連項目黒海

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「アゾフ海」の解説

アゾフ海(アゾフかい)
Azov

南ロシア,ドン川河口の大きな入り江。ケルチ海峡によって黒海に通じている。河口の港アゾフは15世紀後半よりトルコの要塞となっていたが,1696年ピョートル1世が占領した。1739年以後ロシア領。

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旺文社世界史事典 三訂版 「アゾフ海」の解説

アゾフ海
アゾフかい
Azov

ケルチ海峡によって黒海に通じるドン河口の入江
トルコ領であったが,17世紀末ピョートル1世が占領,18世紀初頭オスマン帝国に奪還されるが,露土戦争(1736〜39)によって支配権を獲得した。

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