翻訳|Homo erectus
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出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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…その後,ほぼ同じ進化段階にある化石人類が,ドイツのハイデルベルク,中国の北京,アルジェリアのテルニフィヌTernifineで発見され,それぞれホモ・ハイデルベルゲンシス,シナントロプス・ペキネンシス,アトラントロプス・マウリタニクスと命名された。1960年代以降,これらの更新世前・中期の化石人類は,ヒト属Homoの一種に属すると考えられるようになり,デュボアの命名した種名を生かして,ホモ・エレクトゥスHomo erectusと呼ばれることになっている。原人化石はアフリカ,ヨーロッパ,アジアの各地で発見されているが,各地域のあいだの形態的な差異は,現在の人類の地理的変異の幅をこえない程度のものである。…
…アフリカヌスおよびロブストゥスがハビリスなど同時代の人類化石と形態学的に著しい差がある点を重視する人類学者は,ヨハンソンの説を強く支持するが,文化の享有がヒト的特徴をもたらした唯一の要因であり,いったん文化を身につけた人類に文化的・形態的変異が集団間もしくは集団内で著しいのは当然だと考える人たちは単種説に傾いており,今なお統一的見解に達していない。
[原人]
約100万~20万年前の中期更新世に生息した原人段階の人類,ホモ・エレクトゥスの化石は,旧大陸の各地で発見されている。原人の文化には地域的変異が認められ,ヨーロッパ,アフリカ地域では握斧系石器,アジア地域では打割石器によって代表される文化が展開した。…
…また,ヨーロッパではテナガザルの祖型と考えられているプリオピテクスPliopithecusが,イタリアからはオレオピテクスOreopithecusの完全な化石が発見されているし,プロコンスルProconsul,ドリオピテクスDryopithecus,ラマピテクスRamapithecus,ギガントピテクスGigantopithecusなどの現生類人猿やヒトに近縁な化石がアフロ・ユーラシア各地で発見されている。そして鮮新世後半のアウストラロピテクスAustralopithecus,さらに洪積世の原人ホモ・エレクトゥスHomo erectusへとつながっていくのである。現生の原猿につながる化石はきわめて少ないが,インドの鮮新世の地層からはロリス科のインドラロリスIndralorisの化石が知られている。…
※「ホモエレクトゥス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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